第21話
文字数 1,121文字
「ねぇ、リブ?もう帰りましょう?」
ローレルは私の腕を引っ張りながら言う。
「あんなバケモノ共に勝てるわけないわよ!今ならまだ間に合うわ!何事も命あっての物種よ?」
「うるさいわね……。なんのためにここまで来たと思ってるの?帰るなら1人で帰りなさいよ。」
「貴方がいくら強くても、流石に1人であんな魔法使いを3人も相手にするのは無謀よ!」
実際、あの老人を1人倒すのすら難儀していた。
もしもさっき、金髪の魔女と老人が2人がかりで攻撃してきたとしたら、どうなっていたか分からない。
だがしかし……、
「ならば各個撃破するのみよ。
1体1なら、あの老人でも相手じゃないのはさっき証明済みよ。」
魔力切れ寸前だったとは思いもしなかった事と、予想外の乱入者が居たので仕留め切れなかったが。
次は上手くやる。
それだけだ。
「それよりも、あんた何で追い掛けて来ちゃったの?その指も、まだ折れたままみたいだし。何しに来たのよ?」
ローレルの人差し指には包帯が巻かれ、曲がらないように固定されていた。
「リブを助ける為に決まってるじゃない!私達、友達だもの!」
どうにも嘘くさい……。
散々友達というワンフレーズに、振り回されてきたのだ。
私だってそろそろ学習する。
「で、本当の企みは?」
「…………。リブの手柄を分けてもらおうと思ってました。」
「やっぱりね。」
ハッキリ言ってやる必要があるだろう。
「真面目にコツコツ働きなさい。戦うすべの無い人間は、戦場に来るべきではないわ。でないと、本当に後悔する事になるわよ?」
ローレルは押し黙ってしまった。
「でも、私は……!」
彼女は顔を上げた。
「それでも!私は!!」
吠えていた。
「楽してお金持ちになりたいのよ!!」
………………。
辺りを沈黙が包む。
夜の魔法都市に、彼女の叫びのみが響いていく。
彼女の顔は、いたって真面目であった。
嘘を付いている様には、全く見えなかった。
「ブフッ!アハハハハッ!」
つい吹き出してしまった。
自然と笑いが漏れてしまう。
「……?」
ローレルは不思議そうな顔をする。
その表情が面白くて、私は更に笑ってしまった。
全くもって、イカれている。
……誰かと同じだ。
「アハハ。イカしてるわね、ローレルは。」
「そ、そうかしら?」
「ええ、最高よ。」
ローレルの事を見くびっていた。
ただのクズだと思っていたが、そうではない。
彼女は、とびきりのクズだった。
「貴方の好きにすればいいわ、ローレル。私の手柄を横取りするもよし
、私の手助けをして手柄を山分けでもよし。」
彼女の腐った性根は、もはやどうしようも無いだろう。
「私の力を利用して、楽に賞金首を討伐するつもりなのでしょう?アハハ、どうぞ、好きなだけ利用してみなさい。ただし、死んでも文句は言わないでよね?」
ローレルは私の腕を引っ張りながら言う。
「あんなバケモノ共に勝てるわけないわよ!今ならまだ間に合うわ!何事も命あっての物種よ?」
「うるさいわね……。なんのためにここまで来たと思ってるの?帰るなら1人で帰りなさいよ。」
「貴方がいくら強くても、流石に1人であんな魔法使いを3人も相手にするのは無謀よ!」
実際、あの老人を1人倒すのすら難儀していた。
もしもさっき、金髪の魔女と老人が2人がかりで攻撃してきたとしたら、どうなっていたか分からない。
だがしかし……、
「ならば各個撃破するのみよ。
1体1なら、あの老人でも相手じゃないのはさっき証明済みよ。」
魔力切れ寸前だったとは思いもしなかった事と、予想外の乱入者が居たので仕留め切れなかったが。
次は上手くやる。
それだけだ。
「それよりも、あんた何で追い掛けて来ちゃったの?その指も、まだ折れたままみたいだし。何しに来たのよ?」
ローレルの人差し指には包帯が巻かれ、曲がらないように固定されていた。
「リブを助ける為に決まってるじゃない!私達、友達だもの!」
どうにも嘘くさい……。
散々友達というワンフレーズに、振り回されてきたのだ。
私だってそろそろ学習する。
「で、本当の企みは?」
「…………。リブの手柄を分けてもらおうと思ってました。」
「やっぱりね。」
ハッキリ言ってやる必要があるだろう。
「真面目にコツコツ働きなさい。戦うすべの無い人間は、戦場に来るべきではないわ。でないと、本当に後悔する事になるわよ?」
ローレルは押し黙ってしまった。
「でも、私は……!」
彼女は顔を上げた。
「それでも!私は!!」
吠えていた。
「楽してお金持ちになりたいのよ!!」
………………。
辺りを沈黙が包む。
夜の魔法都市に、彼女の叫びのみが響いていく。
彼女の顔は、いたって真面目であった。
嘘を付いている様には、全く見えなかった。
「ブフッ!アハハハハッ!」
つい吹き出してしまった。
自然と笑いが漏れてしまう。
「……?」
ローレルは不思議そうな顔をする。
その表情が面白くて、私は更に笑ってしまった。
全くもって、イカれている。
……誰かと同じだ。
「アハハ。イカしてるわね、ローレルは。」
「そ、そうかしら?」
「ええ、最高よ。」
ローレルの事を見くびっていた。
ただのクズだと思っていたが、そうではない。
彼女は、とびきりのクズだった。
「貴方の好きにすればいいわ、ローレル。私の手柄を横取りするもよし
、私の手助けをして手柄を山分けでもよし。」
彼女の腐った性根は、もはやどうしようも無いだろう。
「私の力を利用して、楽に賞金首を討伐するつもりなのでしょう?アハハ、どうぞ、好きなだけ利用してみなさい。ただし、死んでも文句は言わないでよね?」