寧々の想い
文字数 787文字
《エレキテル通り》
ねっ、寧々···
違うんだって···っ！
···········
何が···、違うの··？
ちょっと待って··、取り敢えず泣かないでよ··
····ぐすっ
··ゴメン、俺が悪かった
そう言いながらカンジ君は
私の顔にハンカチを当ててくれた··
(やっぱりカンジ君は優しい···、初めて会った時から変わってないんだ)
···こんな事言っても信用してもらえないかもしれないけど
俺は··、ホントにそんなつもりであんな事をさせた訳じゃないんだよ··
··········
お、俺の事を知った上でも··それでも寧々が俺を受け入れてくれるのか
それだけが知りたかった···
·········
おっ、俺は··自分でもかなり変だと思うから··
····私ね
っ！！
１年生の時にカンジ君に助けてもらった事があったんだよ···
·····１年の時？
うん··、初めての体育祭で私、リレーで転んで怪我しちゃって··
··もう、恥ずかしいし痛いしでどうしようって思ってたら
カンジ君がダッシュで私の側に来てくれて怪我した所にハンカチを巻いてくれたの··
(···あの時の事は俺も覚えている、結構酷い怪我してたしな)
それで、そのまま保健室まで連れてってくれて··、カンジ君は覚えていないかもしれないけど
·········
あの時本当に··心底安心出来て、あぁ··このままずっとこの人の側に居たいって思った··
えっ？！
···だからね、私の気持ちは··あの日からずっとカンジ君のモノなの
·······っ！！
··心変わりしろって言われても、中々出来そうにないかな··
·····そうか
うん··、分かった
(全部言っちゃった··)
····寧々
っ！！
じゃあさ···
··こんな俺でも良いなら、付き合ってくれる？
···っ！
うんっ！！
っ？！
まっ、また泣く····っ！
そしてカンジ君はまた
私の顔に優しくハンカチを
当ててくれました··
