ループ
文字数 1,248文字
-AM2時20分-
《二ツ神駅前-黒猫マート》
ピーンポーン ピーンポーン
俺は慌てて立ち上がり、人が来たであろう
入り口まで向かって必死で走った···!
だが―··
入り口付近には誰もおらず、誰かが店内に
入ったような気配すら感じられなかった
それどころか、開けっ放しにしていたはずの
入り口の扉は何故か固く閉じていたのだった··
ゴロン···ッ ゴロ···
嫌な音が徐々に近づいて来ている··
何だか···、さっきとはうって変わって
妙に落ち着いて来た
この先どうしたら良いかなんて
まるで分からないけど···
きっとなるようにしかならないのだろう
と、諦めにも似た感情が先に立ち始めたのだ
ズルリ―·· ズルズル
ゴロンッ ゴロンッ
···何て思っていたその時―
バタンッッッ!!!!
凄い勢いで入り口の扉が開いた···っ!
勢い良く開いた扉の入り口には
人型の黒鉄が立っていた
···さっき、俺が見た猫の黒鉄は
何だったんだ?
確かに様子はおかしかった·····
だからと言って、こっちの黒鉄を
信用出来るのかと言ったら微妙だ
だが、それよりも取り敢えず俺は
今すぐあの女から逃れたい
···扉は開いている
そこに黒鉄は居るが、外に出られるのは
確かなのだ···
俺はチラッと店内に目を向けた
あの女の胴体は床に這いつくばった状態で
ズルズルとこちらへ向かって来ている
俺はそう決心して黒鉄の元へ飛び出た
最近年のせいか、足がもつれることがある
俺は勢い良くスッ転んでしまった
大丈夫か?
スッ転んだ俺も
地面に這いつくばった状態になっており
それに対して黒鉄が心配して声を掛けてくれた
うん、間違いなく黒鉄のようだな
と、返事をしようと黒鉄の方を向いた瞬間
それは····
黒鉄ではなく、さっきの女の生首になっていた
俺の目の前でニタニタニタニタしている
···そして
気付いた時には
また店の中に戻っていた·····