不思議な男の子
文字数 937文字
－PM5時50分－
《本のお宿》
ふふふふふっ
やっとこの日が来たわぁ···っ！
此処は···
私達が住む街から少し離れた場所にある
『本のお宿』と言われている
宿泊出来る本屋さんなのです！
今までしつこく要請した甲斐があったわ！
ようやくお母さんからの許可が降りて
今日念願の『本に囲まれて眠る』って言う
願いが叶うの！！
もう嬉しくて嬉しくてテンションMAXよ！！
でも···、ユズの監視付きって言う条件の上での許可だったのよね！
ははっ
監視って言っても何もしないよー！
私としても、ここの本屋さんには興味があったからラッキーって感じ！
じゃあ、私に感謝してもらいたいくらいだわ～っ
はいはーい感謝感謝ーっ
って、もう少し静かにしないと怒られるんじゃない？
だね！
《漫画エリア》
わぁ～っ！
単行本やら雑誌やら沢山あるー！
昔のアニメのセル画コーナーなんてのもあるんだ··凄いなぁ
ネットカフェとはまた違った雰囲気が堪らないわ～
本だけだし、ベッドも秘密基地っぽくて楽しいよね～
よーしっ
それじゃあ、お互い個人行動と行きますかー！
はいよ！
ユズは漫画が大好きだし、私は
小説が大好きなのでお互い好きなように
行動する事にした
そして、私が小説エリアで本を漁っていた時··
あっ
···これは私の大好きな、藤田麻比呂先生の作品コーナーじゃないのっ！
と、喜んでいたら···
···君も好きなんだね
····えっ？！
隣に居た男の子から声をかけられた··
っ！！！！
(い、いつから居たの？！)
(確かにこの場所には私１人だったはずなのに···っ！)
···男のくせに
ラノベとか···って思った？
えっ？！
·········
おっ、思ってません！
······
···そっか
君となら楽しく小説の話が出来たのかもしれない··
···別に今でも出来るでしょう？
···うん
そうだね··
麻比呂先生の作品が好きな人に悪い人はいないわ！
···なら
夜中に君がもし起きていたら少し話そう···
···えっ？
···会いに行くよ
でっ、でも····っ
と、言いかけて
彼の方を見た時にはもう···
姿は無かった··
····えっ？！
どうなってるのー？！
···て言うか、ベッドの場所分からないよね··？
取り敢えず、ユズにも一緒に居てもらおう··
