キンカンの家で
文字数 1,099文字
－PM2時50分－
《キンカン自宅》
·············
ﾄﾞｷﾄﾞｷ
寧々？
入っていいよ？
うっ、うん····っ
お邪魔します···
今日はカンジ君と、初めてちゃんとした
デートとしてお出掛けをしました
一応参考までにコスプレイベントを
覗いて、レイヤーさん達と一緒に写真を
撮ったりお話を聞いたりしながら··
その後に二人でランチをして、カンジ君の
お勧めのショップを見せて貰ったりと
楽しい時間を過ごし、これから採寸の為に
カンジ君のお宅を訪問していると言う
訳なのです··
(いざ、お家に来ると緊張してしまうものなのね··)
(一応、ちゃんと余計なものを片付けて掃除もしたし問題ないはずだぜ)
あ、カンジ君のご両親にご挨拶しないと···っ
あ···っ、今家には誰もいないんだよ
出掛けてるみたいでさ··
···えっ？！
(ふっ、二人きり···)
あ····
(二人っきりかよ！？)
(意識したら体がもたねえから、意識はしねえ！)
ﾄﾞｷﾄﾞｷ··
《キンカンの部屋》
何か飲み物持ってくるから、座ってて
う、うん··
ガチャ― ﾊﾟﾀﾝ
········
カンジ君のお部屋··
カンジ君の匂いがする····っ
············
·······あれ？
これって、この前の·····
ガチャ―
っ！！！！！？
···········
ねっ、寧々っ！！！？
カンジ君、これ凄く欲しそうだったものね··
····っ！！！！
そう、寧々が今手にしている物···
それは···
俺があの日寧々と付き合う事になった
きっかけの、ちょいエロ？いや··
結構エロいタイプのフィギアだった··
ちょっ、何で？！それ見つかるような場所に置いてなかったのに？！
机の影にあったのだけれど、存在感が凄かったのでつい···
(い、いきなりこれはキツイ····)
···でも、あの日既にガン見していたし、そんなに焦らなくても大丈夫だよ？
··············
···········
····ごめん
俺は···
このいたたまれない空気に
速攻で負け、謝るしかなくなった··
っく···、男のサガなのだ···
許してくれ····っ、寧々！！
ふふ···
謝る事なんてないのに
····え？！
で、でも···俺がこんなん持ってたらやっぱキモいとか思わねえか？
キモいなんて思わないよ？
だってそれがカンジ君だって、もう分かってるから
·······っ！！！！
···あぁ、もうマジで天使すぎ··
····っ！！！！
····わ、私にとってもカンジ君は王子様なので··
っっっ！！！！
(こっ、このまま耐えられる自信が無くなってきたぞ俺···っ)
