寂しさ
文字数 1,060文字
－PM8時50分－
《白幡家》
ただいま戻りました
お···、奏良おかえり！
おじさんっ！！
お久しぶりです！
遅かったなぁ
部活は順調か？
はい··
高校生活で弓を引くのも、後少しですので··
だな···、奏良の志望大学はレベルの高いとこだからその後は勉強してかなきゃならんしなぁ
····はい
奏良くんおかえりー！
あ、ただいまです
あら？伊織は一緒じゃなかったの？
えっ？！
まだ帰ってないんですか？！
ああ··、てっきり一緒かと思ってたが
··········
···そんなに心配する事もないと思うけどね··
···俺のせいかもしれないので··
少し外を探してきます
じゃあ··、頼むよ奏良
ガチャ―·· パタン
うーん··、何かあったのかしらねぇ
あの二人
さあね··
そう言う年頃なんだろ
ふふ··
······楽しそうだな
－PM9時30分－
《泉公園》
はぁはぁ···
何処行ったんだ··伊織··
········
(あれ？)
遠くに人影が見えるな··
ここの公園は···
子供の頃に伊織の両親と俺の両親が
良く連れて来てくれた場所だ
家からはそんなに遠くもなくて
都会にしては、緑が多い貴重な公園··
何となく、伊織が此処に居るような
気がしていた
····ﾎﾞｹｰ
っ！！！！
伊織っ！！！
やっぱり此処にいた！
·······奏良
お前何してんの？！
·····何って
別にボーっとしてた
伊織が居た場所は
泉の脇の階段を少しあがった所にある
休憩場所だった
こんな時間に、こんな所で、たった１人でボケっとしてんなよ？！
·········
···何をそんなに怒ってんの？
はあ？！
人に心配かけといて···何を···っ
だったら、八雲と二人でなら良かった？
っ？！
私が何処で何をしていようと··、奏良には関係ないんでしょ？
·····伊織、何言って··
····はぁ
······
···ごめん
何言ってんだ私は··
····伊織
帰ろう···
わざわざ探しに来てくれたんだね
·········
···いや、ゴメン
····何が？
俺が··悪かったんだな···
·········
ねぇ奏良···
何··？
おネエは···、やめたの？
っ！！！！！
？
い、いや····
わ···たしも少し動揺してた··みたいねっ！
何で？
なっ、何でって何よっ？！
何で奏良が動揺するのかなと···
·········
そりゃあ···、伊織に何かあったのかと思った····のよ
·········
そっか····
········
そう言って納得した伊織の表情は
少し嬉しそうに見えた気がした···
