こんなハズじゃなかったのに
文字数 1,403文字
-PM12時20分-
《三下百貨店》
俺は今、茶畑の元橋通りにある
三下百貨店の前に来ている
なんたって、来週は寧々の誕生日だからな··
どうしても一緒に過ごしたい··っ!
その為に色んなサプライズを考えていたんだぜ
で、何はなくともプレゼントだけは必須だ!
ずっと悩んでいたが、ある日俺は思った
寧々は透き通りそうな程に色白だ
背も低くて小柄だが、痩せすぎって
訳でもない··
そりゃもう俺的には最高すぎる··っ!
って、俺の好みはいいとして··
あの綺麗な腕には、絶対にブレスレットが
似合うはずなんだぜ!
《三下百貨店-2階紳士フロア》
エスカレーターから上がってきたであろう
女の子が俺に声をかけてきた
こいつの名前は笹原 夏音(ささはらかのん)
俺ん家の近所に住んでいる、いわゆる
幼馴染みってやつだ
つっても、ガキの頃から近しい存在すぎて
もはや兄弟感覚でしかない
もはや面倒くさいを通り越している··
俺は無視してフロアの中を歩きだし
振り切ろうとしたのだが··
その時、こいつは俺の腕にガッチリ
抱きついてきた
まさにその瞬間、顔を上げた時だ
目の前のテナントの中に何故か
俺の彼女にそっくりな···?女の子が
俺の事を不安げな表情で見ていた···
もはや···
全ては後の祭りだった
寧々は冷たい口調で俺を一掃して
さっさと行ってしまった···
は···、早く何とかしないと··
だが、俺の心はすっかりと折れてしまって
体が思うように動かないのであった