素直じゃない
文字数 1,438文字
－PM9時50分－
《水谷家近辺》
·······
ｼﾞｰ
········汗
ｼﾞｰ
······汗汗汗
ｼﾞｰ
なっ、なんなのっ？！
あー？ ··何が？
···何が？じゃないよっ！
何でそんなに見てるのよ？！
····知りたい？
っ？！
····や、やっぱいいや
···へぇ～
いいんだぁ
っぐ··っ！
···········な
···なんでよ
············
お前が俺の横でずーーーっとアホヅラしてんのが面白いからだよ
ア···ッ、アホヅラなんかしてません！
(こいつ···、デリカシーの欠片もないじゃないの！)
(緊張して損したよ！)
···ふ
···大人しいお前なんてつまんねぇんだよ
っ！！！
それから、ついでに言っておくけど
お前···スマホに変えろよ
···えっ？！
急に？！
細かいことは気にすんな
さっきも言ったけど、俺は殆どLINEしかしねえから連絡取れねえだろ
····一樹
···あ？
···て事は
一樹は私と連絡が取りたいのね
···············
いや··、別にガラケーのままでもいいか
えっ？！
ちょっ、ちょっと待って！
親に相談してみるからっ！
··········
ねっ！？
····しょうがねぇなぁ
素直じゃねえ女は可愛くねえぞ？
···ご、ごめ
···なーんてな
嘘だよ
·····っ！！
まぁ···、俺は前からお前の事は···
ゴニョゴニョ
···んっ？！
·········
あんですと？！
っ！！！
あんでもねえよ！！
えっ？！
なんなの？！
－PM10時05分－
《水谷家前》
···あれ？
···あ？
七海があんなとこに突っ立ってる···
·······················
···うぉっ、なんつーラッキーな俺！
···何が？
赤司さんって言ったら5本の指に入る超美人じゃねえか！！
··········
まさか、お前みたいなヤツのご近所だったとは！！
····悪かったね、美人じゃなくて
···あ、ユズ
七海、どうかしたの？
こんな所でボーっとして··
こんな夜道に一人は危ないですよ？
俺で良ければご一緒しましょうか
っっっ？！！！
(はぁっ？！)
···あ、いえ
私には··、くっ
黒木君がいますので···
く、黒木君がっ！！！いますから！
え？！
(黒木って誰だよ柚希！！)
(教えるかボケッ！！！)
(んだとっ！！このチンチクリンが！)
(うっさいわっ！！この軽率野郎！)
···ユズ
っ！！！
な、何？！どうしたの七海！？
あ、あの後ね····
うっ、うんうん！
私····
黒木君に···、こ···っ
告白されちゃったの··
ええっ？！
(てか、あの時自分で彼氏だとか言ってなかった？！黒木君！)
な···っ、なにいーーっ？！
あんたはうるさいわっ！
そ···、それで私··
うんっ？！
凄く嬉しくて···
つい、だ··抱きついちゃって～··
···········
なっ、なんて羨ましいの！！
あんなイケメン君と！！！
···あ？！
···もしかして、
それでボーっとしてたの··？
う、うん···
我ながら大胆な行動をしてしまったと思って··
···つっても、男的には嬉しい以外の何ものでもないぜそれ··
···え
本当ですか？
おー、当然だろ？
柚希ならともかく、赤司さんならな
···んもーっ！
さっきから何なのよっ一樹！
·····お前がイケメン好きだったとはな··、ガッカリだぜ
···その言葉そっくりそのままお返し致します
(··この二人は付き合っているのかしら？)
(でも柚希はお友達に呼ばれたって言ってたけど··、どうみても彼は··)
