七海と逢馬
文字数 1,107文字
－PM12時10分－
《3年C組》
···あれ？
いないなぁ··
七海？
どうかしたの？
あ··、うん···
伊吹君を探しているのだけれど··
逢馬くん··？
ん～··と、確かお昼時間は屋上で過ごしてたと思ったんだけど
でも、今日は雨が降ってるから何処に居るのか分かんないなぁ
赤司、逢馬を探してんのか？
ええ···
それならさっき、パン食いながら図書室行くって言ってたけど
パンを食べながら···
怒られないのかな？
あいつは意外と何をやってても誰も気に止めないんだよ···、ちょっと謎な所があるよな
····なるほど
確かに逢馬くんって不思議なオーラをまとっているね
····あの、伊織
おっ！！
真那っ、どうしたん？
次の授業の課題を見せて欲しいのです
あら、珍しいじゃん
さては、忘れて来たな？
ここの所寝不足が半端なくて··
ええっ？！
何してんのー？
それは口が裂けても言えません
あやしいなぁ～っ
ま、取り敢えず良いよー！
イオちゃん、私は図書室に行ってくるからね··
了解！
《図書室》
··········
(···やはり、仏眼(妖怪)に関する情報なんて学校の図書室にはねぇよな··)
(····伊吹君は何処かしら)
(帰りに図書館寄ってくか···)
っ！！！
(いっ、いたわ···)
·····ん？
··赤司か？
っ！！
あっ、伊吹くん····っ！
今度は··どうした？
····うん
実は···
私は以前、伊吹君にお世話になった事が
あるのです···
－今から約1年前－
昨日さ、七海のお見舞いに行ってきたんだけど···、容体が良くならないみたいなんだよね··
病院ではどんな診断されたんだ？
症状的にはインフルエンザに近いみたいなんだけど、薬を飲んでも全然熱が下がらないって···
病院は伊織の両親のとこ？
うん··、でも症状的には内科になるからうちの親は係わってないよ
そっか···
赤司さん···、もう１週間になるね
マジで心配だよ··
－PM5時20分－
《赤司家》
···はぁはぁ
そろそろ学校に行かないと勉強が遅れてしまうわ～···
ガチャ―···
七海、お客さんよ
あ、お母さん··
すっごいイケメンが来たわっ！
あんたも中々隅に置けないわねっ
えっ？！
···さあ、どうぞ
風邪が移らないようにね
(イケメン？··誰かしら？)
わざわざお見舞いに来てくれる程
仲の良い男の子なんて居ないし··
来てくれるとしたら、奏良君か黒木君よね？
失礼します
っ！！！！！？
いっ、伊吹君？！
あの日··
この時まで殆ど話もしたことの無かった
伊吹君が来てくれた事には
本当に驚きを隠せなかった···
