墓を探す女
文字数 1,141文字
-AM1時58分-
《二ツ神駅前-黒猫マート》
この時間はいつもお客があまり来ない
駅前とは言え、終電も終わったし
黒鉄の言う通り、無理して24時間営業を
する必要もないのかもしれないが
たまに、夜勤帰りのお客が来る事もある為
取り敢えず、店は開けていた
俺はそんな事を考えながら
棚の一番下の陳列をしていた···
その時··
俺の視界に入ったのは、喪服姿の女性の
足元だった····
一体いつの間に入ってきたんだ?
入り口を通れば必ず音が鳴るはずだ
聞き逃したのか···?
声をかけられた···
でも、この場合恐らく返事をしない方が
良いだろう
俺は下を向いたまま気付かないフリをした
俺は耐えきれずに叫んでしまった···
テクテクテクテク-···
そして-
俺は思わず喪服の女性を見上げてしまった··
····見上げた先には、やはり喪服姿の··
首の無い女性が俺を見下ろしていた
そして俺は気づいたんだ··
首が無いのにどうやって話しているのか··
そう、言うまでもない
女の首は
尻餅を着いた俺の足元にゴロリと
転がっており、血の気の無い真っ青な顔で
ニタニタしながらこちらを見ていた
もう気が滅入りそうだった
今までこんな事が起きたことなど無かった
··黒鉄はどうしてしまったのだろう
ただの猫に戻っていなければ良いな··
なんて瞬間的に思ったその時
ピーンポーン ピーンポーン
助かった····っ!!!
客が来たぞ·····っ