傾慕
文字数 1,238文字
－PM1時50分－
《茶畑deかふぇ》
···と、まぁそんなそんな感じで
あいつとは只の幼馴染なんだ
幼馴染み···
·········
あー··、勘違すんなよ？
俺は奏良達とは違うから··
う、うん··
さっきはホントにたまたま会っただけだったんだが、やたら絡まれて···
昔から自我が強いと言うか、我が儘な奴だからさ··
··········
···寧々？
···あっ、うん··ごめん
··何か
言いたい事があるんじゃないのか？
·········
···少しだけ
羨ましいなって思ったの
え··？
あの女の子···
カンジ君の事をカン君って呼んでて···
········
幼馴染みって聞いて、きっとカンジ君の事なんでも知ってるんだろうなって··
···寧々
····あっ！
ご、ごめんねっ、そんな事言われても困るよね···
いや···
寧々ってさ··
··え？
普段からあんま自己主張しないだろ？
え··、そうかな··
俺は多趣味でさ、あんま構ってあげてなくても何も言ってこないし
······
···寧々から、俺と二人で会いたいって事も殆ど無くて··
っ！！！
·········
だからさ··
·······
ヤキモチとかも妬かないのかと思ってた··
そ···っ、そんなこと···っ
うん··
だから俺··、今結構嬉しくて
っっ！！！
···寧々が俺の事をホントに好きで居てくれてるんだなって、実感してるとこ
わ··っ、私は··
自由で色んな事を楽しんでるカンジ君の邪魔にはなりたくないの··
っ！！！！
········
··あの日からずっとカンジ君の事を見てた··
········
いつか、もっと仲良くなれたらいいなって··それだけ思って··
···だからカンジ君の··
か、彼女になれるなんて夢のようだったんだよ
～～～～っ！！！
私にとって···もうそれだけで充分幸せだったし、そのままのカンジ君でいて欲しかったから··
そっ、それは違うぞ寧々っ！？
··えっ
·········
···いや、ごめんそれも違うな···
俺がもっと寧々を優先に考えなきゃいけなかったんだ··
·········
ホントにゴメン··
···ふふっ
····？
何か···、良かった
な、何が？！
さっきまでの不安感が嘘みたい··
っ！！
···こうして不意にカンジ君に会えた事と、今はもっと幸せを感じられている事だよっ
寧々···
ここまで来てくれて有り難う···っ
···っ！！！！
ガタンッ
っ？！
カンジ君は何故か急に立ち上がった
手をテーブルに付いたまま下を向いて··
一体どうしたのだろう···？
私、何か変なこと言ったかな···
···くっ
(耐えろ俺！！！)
(ここは···、喫茶店だぞ··っ！他の客も店員も見ている···！)
(···だが今すぐにっ！思いっきりっ！寧々をハグりたいーーーーっ！！！)
？？
(···もう··、連れて帰ろうかな··)
こうして、二人の愛が深まった結果
キンカンの煩悩は増えていく一方なのだった
