第31話 強大な暗黒の副王
文字数 447文字
「そうも言っておれんでしょうな。ヴォイド王はじき我々の領域にも攻めてくるでしょう。仮に百万の兵を差し向けたところで足止め位にしかなりませんな。あれは闇の力を極めつつある。闇の王カインを思い出させる程に」
「カインか……やつめ。何を考えている? こちらに聖槍がある限り、そうやすやすと攻めて来れない筈だが」
「それだけヴォイド王に信任を置いておる証拠でしょう。ヴォイド王は間違いなくあなた様と互角に競える相手ですぞ。向こうは機が熟したとみなしておるのでは?」
「だとすれば読み違いだ。エブリが帰ってくれば形勢が逆転するのだからな」
老騎士は言いづらそうに平伏して白状した。
「そのエブリですが、消息を絶ちました」
「何?」
「確かな情報筋です。エブリの姿は半年前に消息を絶っております」
「まさか、ヴォイド王がエブリを……?」
「あり得る話ですな。才能を摘み取ってしまうのは向こうのやり口ですぞ」
目頭が熱くなり手を当てる。まさか、才ある少年がこうも先に逝ってしまうなど信じられないが、カイン王ならやりかねない。
「カインか……やつめ。何を考えている? こちらに聖槍がある限り、そうやすやすと攻めて来れない筈だが」
「それだけヴォイド王に信任を置いておる証拠でしょう。ヴォイド王は間違いなくあなた様と互角に競える相手ですぞ。向こうは機が熟したとみなしておるのでは?」
「だとすれば読み違いだ。エブリが帰ってくれば形勢が逆転するのだからな」
老騎士は言いづらそうに平伏して白状した。
「そのエブリですが、消息を絶ちました」
「何?」
「確かな情報筋です。エブリの姿は半年前に消息を絶っております」
「まさか、ヴォイド王がエブリを……?」
「あり得る話ですな。才能を摘み取ってしまうのは向こうのやり口ですぞ」
目頭が熱くなり手を当てる。まさか、才ある少年がこうも先に逝ってしまうなど信じられないが、カイン王ならやりかねない。