第27話 エブリ視点 暗黒面は過去の真実を囁く

文字数 556文字

「試してみるか?」

 神光の型の構えを取る。闇の王はこちらを突くような剣の構え方をした。

「第六の型。暗黒の型と呼ばれるものじゃ。喰らうが良い」

 一瞬にして光の刃が砕け散り、全身に衝撃が走る。

「グッ!」
「ほう、よう耐えた。さすがは我が末子。後はこれに耐えうる者はパルジファルとルナ・アース位じゃ」

 なぜルナの名前が挙がる?
 
「なぜルナ・アースかと言った表情じゃな。レイア・アースはお主に伝えなかった様じゃな」
なぜ母の名前が出て来る?
「まさか……」
「あの日、村を襲い、レイアを殺したのは余じゃ」

 瞬間、何かが切れる。怒りに身を任せて闇の王に襲い掛かる。

「良い。暗黒面の予兆じゃ」

 今の体力で出来る型は限られている。この男に有効なのは流水の型だ。破壊するなら受け流してしまえば良い。

「良い良い。闇に身を委ねて尚冷静な判断じゃ。弟子に必要な素養を兼ね備えた逸材じゃ。先の問いに答えてなかったのう」

 流水の型をもってしても闇の王の攻撃は防ぎきれない。それでも母を殺された怒りのみで立ち上がった。

「ルナ・アースの実の父はパルジファルじゃよ。聴かされておらんのか? 哀れな道化よ。騎士王は初めから娘を傍に置くために養子の形をしてルナを引き取ったのじゃ」

 馬鹿な。あり得ない。聖杯は清らかな心の持ち主にしか永遠の命を与えない筈だ。
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