第14話 エブリ視点 時を経て
文字数 476文字
「おい、エブリ! 新鮮な果物が手に入ったんだ! 騎士王様に持っててやんな!」
「おう、ありがとな。父さんも喜びそうだな」
「エブリー」
「ルナ、食料の買い出しは終わったのか? 持とう」
「それじゃ、遠慮なく」
ヒョイと渡す姿を観て果物屋のおやっさんが感心している。
「よくもまあ、そんな大荷物を一つも落とさず抱えられるもんだ。流石は聖杯守護騎士団か」
「まだ見習いさ」
「しかし、騎士王様もちょっとひどいな。二人とも団員にしちまえば良いのによう」
「仕方ないさ。父さんはこれでも大甘にみてくれているんだ。それに良い訓練だ」
おやっさんとの会話もそこそこにして二人で居城に戻っている最中、ルナが話しかけてきた。
「エブリ、変わったね」
「何が?」
「昔はもっとやんちゃだった」
あの頃は何もかもが新しくてはしゃいでいた時期だ。多くの知識を知り、剣術も型を究めるとふと落ち着いて物事をながめる癖がついただけだ。
心の奥底では在りし日の旅人の師匠との再会を望んでいる。
おそらく、少女は父より強かったのだろう。
だからこそ、弟子のはしくれとしてもう一度刃を交えたい気持ちがあった。
「おう、ありがとな。父さんも喜びそうだな」
「エブリー」
「ルナ、食料の買い出しは終わったのか? 持とう」
「それじゃ、遠慮なく」
ヒョイと渡す姿を観て果物屋のおやっさんが感心している。
「よくもまあ、そんな大荷物を一つも落とさず抱えられるもんだ。流石は聖杯守護騎士団か」
「まだ見習いさ」
「しかし、騎士王様もちょっとひどいな。二人とも団員にしちまえば良いのによう」
「仕方ないさ。父さんはこれでも大甘にみてくれているんだ。それに良い訓練だ」
おやっさんとの会話もそこそこにして二人で居城に戻っている最中、ルナが話しかけてきた。
「エブリ、変わったね」
「何が?」
「昔はもっとやんちゃだった」
あの頃は何もかもが新しくてはしゃいでいた時期だ。多くの知識を知り、剣術も型を究めるとふと落ち着いて物事をながめる癖がついただけだ。
心の奥底では在りし日の旅人の師匠との再会を望んでいる。
おそらく、少女は父より強かったのだろう。
だからこそ、弟子のはしくれとしてもう一度刃を交えたい気持ちがあった。