第32話 決戦前に

文字数 416文字

「ルナに何と言えば……」
「あの子を舐めてはいけませんぞ。たとえ、エブリがいなくとも気丈にふるまうでしょう」

そうかも知れない。

だが、その心は泣いているのではないだろうか。

「ルナには伏せておこう」
「騎士王がそう仰せになるであれば」
「バルジ」
「はい」
「敵が次に来るのはおそらくここだ。カインは聖杯と聖槍を欲するだろう。難民も民も安全な場所に避難させよ」
「ハッ、隣国に接する砦が良いかと」
「ほう、その理由は」
「あなた様が良くお判りでは? カインは正面きっての正攻法なぞ好まない。あの者はおそらく王国の一般民衆に斥候がおるでしょう。旅人なども使ってでしょうが。攻めて来るとすれば」
「空からか……バルジ、近衛の団長と連携を取り、魔物を撃破せよ。民を安全な場所まで避難させるのだ」
「王都は騎士王ご自身が?」
「やつの狙いは聖杯と聖槍だ。ならば、この城に主力を向けてくる。すまんが手練れの者達は置いて行ってくれないか」
「ハッ! 早速、避難を始めます」
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