第21話 エブリ視点 ルナは理詰めで極める

文字数 398文字

 本当は学者向きなのにあえて剣の道を歩もうとするのは故郷の惨劇があったからだ。
 それは自分も同じで、だからこそ剣聖の道を登ろうとしている。
「はあ、父さんは大甘にみてくれるけど、本当は二人して騎士団に入りたいものだ」
「お父様の立場だからこそ無理なのよ。えこひいきは駄目よ」
「ルナ程の腕前だったら手加減出来ないぞ?」
「その方が良いわ。下手に手を抜かれて勝っても嬉しくない」
 ルナは生真面目だ。弁論の際にも相手の主張を全て引き出してから議論する気質がある。だからこそ四つの型も極められたのだろうが。

 自分は感覚でやる性質だからな。型がはまれば後は自然と身に付く。

 理詰めのルナに対して自分は感性で学ぶ。お互いに学ぶものも多い。
「ルナ、この後稽古付き合ってくれるか?」
「良いわよ。午後は剣術の研究をしようと思っていたから」
 結局その日は剣術の稽古で一日を費やした。試験の日も近い。二人で真剣にやっている。
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