第11話 王都

文字数 577文字

 王都に着くと子供達ははしゃいだ。やはり年相応なところがあって一安心だ。
「すげー! 何てでっかい城だよ!」
「私は王も兼務しているのでね」
「え! とーちゃんは王様なのか! じゃあ、俺は王子か?」
「まあ、名目上は」
「何だ? 何か突っかかる言い方だなあ」
「あなたのふるまいが王族らしくないのよ、エブリ。これから私達は勉強しなきゃいけないことが沢山あるの」
「まあ、良いさ。おいおい学んでいけば良いだけの話なんだ」
 それより今後二人には騎士団に加入して貰う為の試練が待ち構えている。
「一つ厳しいことを言っておくよ。騎士団に加入出来るのは一人だけだよ」
「そんな……」
「すまないね。これでもゆるい方なんだ。本来聖杯守護騎士団の加盟には並々ならない努力が必要とされる。君達は凄腕の剣士なのは判っている。ただし、それは一般の剣士から見てね。ここはそういう次元じゃない」
 二人とも少し緊張しているのがありありと視えた。
「まあ、数年先の話だから長い目で見れば良いさ。今は王都での生活を楽しみなさい」
「すげえ腕前の人がそんなにいんのか? とーちゃん位の?」
 老騎士が笑いだす。
「フォフォフォ、そりゃ大した言葉じゃぞ。エブリ。騎士王は歴代最強だ。さらに次元が違う」
「そんなにすげーのかあ」
「まあ、おいおい型を教えていくよ。神炎の型、流水の型、大地の型、清風の型、この四つが基礎だ」
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