第9話 騎士としての喜び

文字数 307文字

「騎士王、悪い癖ですぞ」
「見抜かれたか」
「あなたは教育者であるということをもっと自覚すべきですな。全く……どこが植物の様な感情でありますかな?」
 老騎士の言う通りだ。長ならこういった思考をすべきではない。
 一抹の反省と共にやはりどうしてもエブリの師匠のことが頭の片隅から離れない。エブリですら流水の型をここまで使いこなせているのだ。
 師匠は更に上を行くであろう。
「世界とは広いものだ」
「とーちゃん、喜んでんのか?」
「ああ、そうだ。世界には君達の様な凄腕の者がまだまだいると考えるとね。騎士王としてではなく一介の騎士としてみるなら」
 話がのび過ぎた。夜も深い闇に更ける。
「朝が早いから寝ようか」
 子供達に語りかける。
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