第10話 残された謎

文字数 405文字

「それもそうだなー」
「そうね。騎士様達のお時間ばかり取っては申し訳ないわ。私達は早めに寝ましょう」
 素直な子供達だ。自分達で寝る準備をしている。厳しい訓練を施された証拠だ。
 すぐに二人とも眠ってしまった。
「どう思う、バルジ?」
「今回の襲撃ですな。魔物はオマケで本命が一人いたと考えるのが妥当でしょうな。あの子達の戦力として判断するからに」
「だろうな」
 レイア程の腕前の持ち主が敵わないと判断した相手がいる。
 そう判断したからこそレイアは子供達に戦いを強いらず、逃がした。
 その相手は今もこちらに視線を送ってきている。
 執拗な存在だ。疲れ知らずと視える。
「かなりの使い手だな」
「ええ、そうでしょうね」
 若い騎士も賛同した。
 皆が皆相手の全容をつかめずにいる。心の中で戸惑いが生まれる。
 レイア、君は何と戦ったのだ?
 夜戦に備えているもその晩も次の日も攻勢はなかった。
 やがて、視線は何か達成したのか気配を消した。
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