第30話 闇の勢力の台頭

文字数 393文字

「騎士王、噂はお聴きになられましたか?」

 バルジの言葉にうなずく。

「オスマン帝国が滅びたというのは本当なのか?」
「闇の勢力が侵略したとのことですな。五本山の幾つかも抑えられておりますわい」
「教皇庁は?」
「イスラムの難民は引き受けることは出来ない、と」
「ならば、我が国に招いてくれ。異教徒といえども人。無下にしたくない」
「かしこまりました」
「こんな時にエブリがいてくれたら王都を任せて出陣出来るのだが」
「ルナ副騎士団長では役不足ですかの?」
「いいや、ルナはもう立派な騎士だよ。だが、イスラム世界を滅ぼしたというヴォイド王とやらには太刀打ち出来ない」
「王ご自身が戦わねばならぬ程の腕前ですかの」
「彼の闇の波動は強い。私が相手してきたどんなものより強大だ」

 聖杯だけでは太刀打ち出来ないかも知れない。旧き時代に頼ったあの槍が必要となる。

「ロンギヌスの槍か……出来れば使いたくなかったが……」
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