第34話 バルジ視点・闇の眷属トバル・カイン王
文字数 547文字
「真名を問おう」
「トバル・カイン」
ほう、青銅や鉄を創造した王か。これまた大物が現れたものよな。
トバル・カインは円状の不思議な刃物を持っていた。
いかんな。あれは民衆を巻き込む類の凶器じゃ。
「近衛騎士団! 敵の攻撃に備えよ!」
民の守衛は彼らに任せて二人で攻勢に入る。
「ふむ、流水の型を極めているとみえる」
敵は瞬時に自分の得意とする型を見抜いた。
やれやれだ。世の中は広すぎる。こうも自分を上回る者がいるとなると少し自信が薄くなってしまう。
「サラディン殿。敵の攻撃はわしが一手に引き受けましょう。攻撃に集中して下され」
「仰せの通りに」
戦士も戦闘態勢に入る。
とは言ったものの老体にはきつい。最小限の動きで敵の攻撃を受け流すが、円状の武器にも気を張っていなければならない。その上で大剣を二つ構えている。
器用な。円状の武器は剣の中に収めて又勢いよく放つ。
一対一であれば敗北していたかも知れない。
だが、戦況は二人がかりで対処している。自分は敵の攻撃をいなす隙にサラディンが敵に傷を付けていく。徐々にではあるが、確実に追い詰めている。
「降参せんか? トバル・カイン王。お主とて不利なのは判っておるじゃろう」
「降参はしない。戦略的撤退だ」
トバル・カインが姿を消すと魔物達も姿を消していった。
「トバル・カイン」
ほう、青銅や鉄を創造した王か。これまた大物が現れたものよな。
トバル・カインは円状の不思議な刃物を持っていた。
いかんな。あれは民衆を巻き込む類の凶器じゃ。
「近衛騎士団! 敵の攻撃に備えよ!」
民の守衛は彼らに任せて二人で攻勢に入る。
「ふむ、流水の型を極めているとみえる」
敵は瞬時に自分の得意とする型を見抜いた。
やれやれだ。世の中は広すぎる。こうも自分を上回る者がいるとなると少し自信が薄くなってしまう。
「サラディン殿。敵の攻撃はわしが一手に引き受けましょう。攻撃に集中して下され」
「仰せの通りに」
戦士も戦闘態勢に入る。
とは言ったものの老体にはきつい。最小限の動きで敵の攻撃を受け流すが、円状の武器にも気を張っていなければならない。その上で大剣を二つ構えている。
器用な。円状の武器は剣の中に収めて又勢いよく放つ。
一対一であれば敗北していたかも知れない。
だが、戦況は二人がかりで対処している。自分は敵の攻撃をいなす隙にサラディンが敵に傷を付けていく。徐々にではあるが、確実に追い詰めている。
「降参せんか? トバル・カイン王。お主とて不利なのは判っておるじゃろう」
「降参はしない。戦略的撤退だ」
トバル・カインが姿を消すと魔物達も姿を消していった。