第22話 エブリ視点 試験の日

文字数 606文字

 筆記試験の日。これは落ち着いて出来た。ルナは軽々と合格した。自分は及第点。と言ってもルナが遅くまで勉強に付き合ってくれたからだからの結果だが。

 さて、ここからが本当の試験だ。実戦形式の闘い。自分も受かりたいが、ルナにも受かって欲しい。悩みどころだ。
 だが、全力で臨もう。ルナもそれを望んでいる。礼を失することのないように。

 審判は老騎士が務める。
 バルジ老はこちらに話しかけてきた。

「フォフォフォ、期待しているぞ。あの時の子供がここまで強うなろうなんて思わなんだわい。今のお主の力は騎士王にも匹敵するじゃろうな」
「未熟者ですよ。バルジ老こそ後進に譲らずの姿勢がありありと見えますよ」
「当然じゃ。易々と追い抜かれてはたまらん。日々精進あるのみよ」

 実際、バルジ老は大した人物である。老いて尚修行を積み更なる高みを目指す。天才と言うのはこういう人のことを指すのだろうな。
「しかし、ルナ嬢も強うなった。どちらに勝敗が転ぶか判らん。わしは幸せ者じゃな。剣聖に最も近い二人の騎士見習いの試合を間近で観れるのじゃから」
「バルジ老にそう言って頂けるのであれば騎士見習いとしては光栄の限りです」
「胸を張れ、エブリ、お主らは最早騎士見習いにあらず。聖騎士として呼ばれてもおかしくない。都の者達の噂位耳にしとるじゃろう」
「噂にはじない闘いをしてみせます」
「うむ」

 ルナも対峙する。

「二人とも準備が良いようじゃな。では、はじめい!」
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