第8話 エブリの師匠

文字数 286文字

「かーちゃんは強かったんだけど、旅の人に勝てなかったんだよな」
「何?」
 騎士達もどよめく。
「あの何かまずいことでも……」
 ルナが不安そうにこちらをうかがう。
「いや、何でもないよ」
 レイアすらもが勝てなかっただと? それは重大な意味を持つ。騎士王に次ぐ実力者だった彼女と比肩しうるのは修道騎士長か王都の近衛親衛隊長位なものだ。
 王都に帰ったら探し人の張り紙でも張るか。それ程の達人なら喉から手が出てしまう位欲しいものだ。
 いや、この情報を知ったのが自分達で良かった。
 しかも少女だと言うのだから将来性は抜群だ。
 思わず腕がうずく。一度で良いからその少女と一戦交えたいものだ。
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