「私」という魂は、【私】というこの子を幸せにする為に、この子の身体を選んだんです

文字数 482文字


生きている理由が「死ぬのが怖いから」だとして、

 
それは多分、「自分が居なくなるのが怖い」という事でもあると思うんです。
「命を断つ前に痛くて苦しい思いをするのが嫌だから」だとも思うんです。

 
そのどれもはどうしたって、
あらゆる脅威から【自分を護ってあげたい】という気持ちが無ければ芽吹けない感情でもある筈です。

それだけの理由があるのなら、もう十分。



どうせ死んでしまえば、
この世のものは何一つとして持って行く事は出来ないんです。

地位も名誉も名声も。
お金も思い出の品もこの体も。

 

だから残していく者に【自分】を遺して行くのだとも思うんです。

記憶も声も表情も、
過ごした時間も感情も。

だから【今】生きているのだとも思います。


死ぬ間際に初めて「生きてて良かった」と思うのかも知れない。

生きている間にふと、「自分はこの為に生まれて来たのかも」と過ぎる時が来るかも知れない。



広大な時間で、その中の一縷の間の人生で、

そんな曖昧で確かな想いを一瞬でも置いて行けるなら、
そこに根付いて行けるなら、

そこに自分が【残れる】なら、



これ以上に尊く【心強いもの】なんて無いのではないかと思うんです。



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