第4話『魔王、思い立つ。』
文字数 2,302文字
地上より遥か上空にある、第二の大地。
その地全体が特殊な術が施され、空に浮かんでいるにも関わらず地上への日の光が遮ることはない。雲よりも高い位置にあるその地は、昼は日光が、夜は月光が絶え間なく降り注がれる。
まさに光の国とも言える程、神々しい世界であった。
そしてその中心に聳え立つ神殿が。白い壁は光を反射させ、大陸を更に輝かせる。
その中にある巨大な部屋。天井は高く、数多くの支柱が並び、中央には赤絨毯が玉座まで伸びる。
その玉座に座る白き天使は笑みを浮かべ、目の前に跪くその者に声をかけた。
そしてルルリエは、兵に連れられ部屋を後にする。
一度だけ大天使長に視線を移したルルリエだったが、その視線の冷たさを目の当たりにし、静かに瞳を伏せるのであった。
彼女が部屋を立ち去った後、大天使長は玉座に深く座り込む。
そして遥か天井に視線を移し、小さく息を吐いた。
――一方そのころ、魔界では。
そして魔王はスキップしながら部屋を出て行った。
……しばし、沈黙が流れた。
そして……。
そしてダンゴは、猛烈な勢いで部屋を飛び出すのだった……。