第6話『魔王、提案する。』
文字数 1,664文字
それからてんわやんわしながらも、魔王は城にいる仲間を招集する。片や勇者達は突然のラストバトルに困惑しながらも武器を構えた。
……が、そこでイシリアが怒鳴る。
城で戦ったりするの禁止!
汚れたり壊したりしたら地の果てまでぶっ飛ばすわよ!?
……というわけで、一同はぞろぞろと城の外へと出て行くのであった。
……さっきはごめんね。
なんか紛らわしいことしちゃって……。
いったいどこの世界に謝り合う勇者と魔王がいるんだよ!
それにしても、本当に兵士が一人もいないんだねぇ。
ここ本当に魔王城?
ま、まあ敵の数が少なくて済んだのは間違いないね……うん……。
数はさほど差がありませんので、重要なのはチームの連携になってきますね。
ああ……。
まさか、僕達相手にチーム戦を挑むつもりだとはね……。
チーム戦をするくらいなら一人で相手した方が何倍も楽ですわ。
わ、私の中の魔王像が崩れていく……。
物凄い勢いで……。
提案!
各個撃破的な形式でお願いします!
じゃないとヤベーです!
はん!
こっちが断然有利なのに、誰が個人戦なんて……!
まあいいんじゃない?
ごちゃごちゃした乱戦になるよりは戦いやすいだろうし。
そうですね。
相手に魔王の守りを固められては厄介ですし……。
めんどくさいですわ。
あなた、一人で頑張ってくださいませ。
元はと言えば、あんたが兵を解散させたのが悪いんだし。
責任取りなさいよ。
とりあえず、私は静観させてもらうわ。
勝とうが負けようがどっちでもいいし。
ああ、ルルリエちゃんはそこでゆっくりしててよ。
巻き込まれないように気を付けてね。
たぶん強そうな剣士だから、血が騒いでるんじゃないかなぁ。
一宿一飯の恩……なんて言うつもりはサラサラないけど?
対戦カードは決まりましたな。
各々方、奮闘をお祈りいたしますぞ。
ほんじゃ、始めようかね。
……マリアンナさん、よろしく。
するとマリアンナは精神を集中させた。
そして呪文を唱えると、それぞれの体は光に包まれ、飛散した。
これは、移動魔法ですね。
それぞれの組が四方に跳びましたな。
大丈夫でしょう。
みなさん、それなりにお強いですし。
ともかく、早く済ませて欲しいわね。
じゃんけんで勝負してくれないかしら。
ついに魔王達と勇者達は激突する。
果たして、軍配はどちらに……。
続く。
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