第7話『魔王、蹴られまくる。』
文字数 2,511文字
一方、魔王の城。
そして魔王は、一枚の手紙を差し出した。
そこには、こう記されていた。
『お前の配下の女は預かった。返して欲しくば、一人で魔界の外れにある岩場へ来い。従わなければ、女の無事は保証しない』
スタスタ……
セルフィーとマリアンナは、脅迫状に目を通す。
そして――。
マリアンナは脅迫状を手に取ると、精神を集中させた。
彼女が呪文を唱えると、手紙は光を帯びる。
そして光は徐々に強さを増し、手紙は彼女の手を離れ上へと浮かび始めた。
そして、光の中に一人の男が浮かび上がった。
――げしっ!
――げしっ!
魔王は立ち上がり、マントを翻した。
そのまま踵を返し、城の門へと足を踏み出す。
そして、魔王は城を後にした。
そのままマリアンナは、上機嫌のまま厨房へと向かって行った。
セルフィーは悪魔のような笑顔を浮かべたまま、部屋へと戻る。
残されたダンゴは、あたふたとしながら泣き声交じりの叫び声を上げた。
ダンゴの叫びは、城の中に虚しく響き渡るのだった……。