第9話『魔王、カッコつける。』
文字数 2,296文字
魔王を討ち英雄にならんとするニコルに囚われたイシリアとジョセフ!
絶体絶命(にも見えないような)状況の二人の元に、魔王は救助に駆け付けた!
だが魔王は、(自爆により)致命的な(精神的)ダメージを負ってしまったのだった……!
言葉と共に、魔王は右の掌から光を放った。
光を受けた傭兵は凄まじい勢いで吹き飛ばされ、そのまま壁を突き破り外へと投げ出されてしまった。
そして魔王は改めてニコルの前に立つ。
背筋を伸ばし、四肢に魔力を込め、悪魔の如き視線を彼にぶつけた。
……その猛々しい姿に、ニコルはもはや震えることしか出来なかった。
魔王の掌に先程よりも更に強い光を帯びさせた。そして手を振りかざせば、流星の如き光の塊がニコルの頭上から強襲する。
躱すこともままならなかったニコルは直撃を受け、凄まじい衝突音と共に床に叩きつけられた。
そして再び、魔王の甲高い悲鳴が、岩場に響き渡るのだった……。