第2話『魔王、風呂へ行く。』
文字数 3,035文字
さて魔王は、とりあえず兵を立てることとした。
魔王とルドル・バルト・シュバエル(以下ダンゴ)は兵舎へと向かう。城の敷地の奥、そこに兵舎はあった。
城よりも遥かに巨大で重々しい雰囲気に包まれている兵舎。雷鳴は轟き、乾いた風が唸る。
そこには、魔王軍が誇る精鋭部隊が待機していた。そして有事には魔王の一言で動き始め、魔界の脅威を全力で取り払いに向かう。
――その、はずだった。
そしてアシリアは、通路の奥へと消えていった。
そして魔王は、精神を集中し始める。
魔王が気の抜けた気合を入れると、目の前に影が伸びる。それは形となり、動き始めた。
その影の形は、どこか魔王に似ていた。
そして幻影は消えていった。
泣きじゃくるような嗚咽を残して……。
哀れ幻影は、断末魔とも言える訴えを残しながら、姿を消してしまったのだった。
そして魔王たちは、風呂へと向かう。
勇者はしばかれた。魔王はお風呂。いったいこの先どうなっていくのやら。
そしてダンゴのトリートメントとは……!
続く……のか?