第35話 おばけの世界のお正月
文字数 1,517文字
明日は、ぽーにとって初 てのおばけの世界のお正月 。
前の夜、ベッドの上でぽーはハルじいさんとワクワクしながら話しています。
「ねえ、じいちゃん。富士山 へは、いつ行くの?」
「まだ暗 いうちに出かけるから、今日 はぽーも早く寝なくちゃな」
「うわぁ、ねれるかなぁ?」
すやすや
ぐぅぐぅ
「おーい、ぽー。そろそろ出かけるぞ」
「……んんん? どこ行くの?」
「言ったじゃろ。富士山 へ行くんじゃ」
「――あっ、そうだった!」
ぽーは、飛びおきました。
こうして、ぽーとハルじいさんは真 っ暗 な空を、富士山 へと向 かっています。
「ねえ、じいちゃん。なんで、おばけはみんなお正月 に富士山 へ行くの?」
「富士山 にある大きな雲に、おばけの神社 があるから、そこにお参 りに行くんじゃ」
「へえ……、じんじゃか。どういうのかなぁ」
そして、富士山 の頂上 につきました。神社 に上がる門の前には、門番が二人立っていました。二人とも、今日 はお正月 の着物 を着ています。
「わぁ、もんばんのお兄さんかっこいい」
すると、門番が元気 な声でぽーに言いました。
「やあ、ぽーくん。新年 あけましておめでとう」
「あけましておめでとうございます。もんばんのお兄さん」
ぽーも、ハルじいさんに教 えてもらった言葉 で元気 に言いました。
そして、雲の階段を上がった先には大きな神社 があります。辺 りはまだ暗 いですが、この神社 の周りには、たくさんの提灯 に灯 りがついて、赤い色の神社 はとてもきれいです。
神社 の横には、魂 の泉 が見えました。
「たくさん、おばけさんいるね」
「うん、そうじゃな。――おっ、長老さん、おめでとうございます」
「おお、ハルじいさん、おめでとう。ぽーも、おめでとう」
「あけましておめでとうございます!」
ぽーは、長老にもハルじいさんに教 えてもらったように挨拶 しました。
「ほぉ。ぽーはしっかり挨拶 ができる、たいしたもんじゃ。ほれっ、これをあげよう」
長老はそう言うと、富士山 の絵が描 かれた封筒 を出しました。
「ん……なに、これ?」
ぽーはそう言ってハルじいさんを見ると「よい、よい。もらっておきなさい。お年玉 というものじゃ」と、ハルじいさんは、ぽーに言いました。
「うわぁ♪ ありがとう、長老さん」
「うん、じゃあな。わしは帰 って寝るわい。年寄 りには、きつい」
長老さんは、そう言ってニッコリ笑って帰 っていきました。
こうして、ぽーとハルじいさんは、神社 でお参 りすると、魂 の泉 に行き、すこしだけ泉 の水を飲 みました。
「少しだけじゃぞ。たくさん飲 んでしまうと、歳 をとってしまうからな」
「うん、わかった! じいちゃん」
ごくごく
「うまぁい、もういっぱい」
「こりゃこりゃ」
ハルじいさんは困 った顔 をしています。
「……さてと、そろそろかな」
そして、ハルじいさんとぽーが、魂 の泉 から富士山 を見ていると……
大きな丸い太陽が富士山 の横から少しずつ昇 ってきました。今日の太陽は、いつもより大きく見えます。
「うわあ。すごい!」
ぽーは、いつもと違う太陽にビックリです。
こうして、ぽーとハルじいさんは、太陽が昇 ってくるのをしばらく眺 めていました。魂 の泉 にも太陽が映 っています。
「ふたごの太陽みたい」
「ふふっ、そうじゃな」
そして、周りが明るくなってきました。
「……さてと、ぽー、そろそろ帰 ろうかね」
「うん」
この時、ぽーはある場所 が気になりました。
「ねえ、じいちゃん」
「ん? なんじゃ」
「泉 の先 にある、あの階段はどこに行くの?」
ぽーは、ハルじいさんにたずねました。
「ああ、あれか。あれはな……、今度ゆっくり教 えてあげよう」
「うん、わかった」
こうして、ハルじいさんとぽーは、すっかり明るくなった空を飛んでいきました。
前の夜、ベッドの上でぽーはハルじいさんとワクワクしながら話しています。
「ねえ、じいちゃん。
「まだ
「うわぁ、ねれるかなぁ?」
すやすや
ぐぅぐぅ
「おーい、ぽー。そろそろ出かけるぞ」
「……んんん? どこ行くの?」
「言ったじゃろ。
「――あっ、そうだった!」
ぽーは、飛びおきました。
こうして、ぽーとハルじいさんは
「ねえ、じいちゃん。なんで、おばけはみんなお
「
「へえ……、じんじゃか。どういうのかなぁ」
そして、
「わぁ、もんばんのお兄さんかっこいい」
すると、門番が
「やあ、ぽーくん。
「あけましておめでとうございます。もんばんのお兄さん」
ぽーも、ハルじいさんに
そして、雲の階段を上がった先には大きな
「たくさん、おばけさんいるね」
「うん、そうじゃな。――おっ、長老さん、おめでとうございます」
「おお、ハルじいさん、おめでとう。ぽーも、おめでとう」
「あけましておめでとうございます!」
ぽーは、長老にもハルじいさんに
「ほぉ。ぽーはしっかり
長老はそう言うと、
「ん……なに、これ?」
ぽーはそう言ってハルじいさんを見ると「よい、よい。もらっておきなさい。お
「うわぁ♪ ありがとう、長老さん」
「うん、じゃあな。わしは
長老さんは、そう言ってニッコリ笑って
こうして、ぽーとハルじいさんは、
「少しだけじゃぞ。たくさん
「うん、わかった! じいちゃん」
ごくごく
「うまぁい、もういっぱい」
「こりゃこりゃ」
ハルじいさんは
「……さてと、そろそろかな」
そして、ハルじいさんとぽーが、
大きな丸い太陽が
「うわあ。すごい!」
ぽーは、いつもと違う太陽にビックリです。
こうして、ぽーとハルじいさんは、太陽が
「ふたごの太陽みたい」
「ふふっ、そうじゃな」
そして、周りが明るくなってきました。
「……さてと、ぽー、そろそろ
「うん」
この時、ぽーはある
「ねえ、じいちゃん」
「ん? なんじゃ」
「
ぽーは、ハルじいさんにたずねました。
「ああ、あれか。あれはな……、今度ゆっくり
「うん、わかった」
こうして、ハルじいさんとぽーは、すっかり明るくなった空を飛んでいきました。