第24話 クマさんとドングリ
文字数 1,666文字
この日、ぽーは赤い葉 っぱがたくさん落ちている山の上を飛んでいました。
「やーまは、しろーがね、あさひを浴 びて♪」
ぽーはハルじいさんと山に来 た時に、ハルじいさんが口ずさんでいた歌 を歌 いながら、今日 もご機嫌 です。
……すると、たくさんの木の間 を、大きな動物 がのっしのっしと歩 いている姿 が見えました。
「あれ……? なんだろう? なんか大きなどうぶつがいるぞ」
ぽーは、山の中へと入っていきました。
しばらく探 していると……、全身 に黒色の毛 が生 えた体 の大きな動物 が歩 いていました。
「あっ、あれはたしかクマさんだ!」
ぽーは、絵本 に描 いてあったクマを思 いだしました。
「へえ……、こんなところにいるんだ。動物園 だけかとおもってたよ」
よく見ると、大きなクマの後 ろには、2匹の小さな子グマがちょこちょこ動 いています。
「かわいいなあ。きっと、親子 だよね。なにしてるんだろう?」
ぽーは、クマの親子 の近 くを飛んでいきます。
すると……
「おかあさん、おなかすいたよぉ」
「おなかペコペコだよぉ」
2匹の子グマの悲 しそうな声が聞こえてきました。
「あれ……っ? なにを言ってるか、わかるぞ!」
「もう少 し待 っててね。今、探 してあげるからね」
おかあさんクマが、子グマに言っています。
「なんか、あの おかあさんクマ……」
よく見ると、おかあさんクマは、絵本 で見たクマより、ずいぶん痩 せています。そして、とっても困 っている様子 です。
「もっと、あっちのほうでさがそうよ」
子グマはそういうと、人間 の家のある方向 に走 りだしました。
「――ダメよ! そっちに行っちゃ。人間 に殺 されちゃうよ」
「だって、おなかすいたもん」
子グマは、今にも泣 きそうです。
「おなかすいてんだ。かわいそうだな……」
「ドングリぜんぜんないね、ママ」
もう1匹の子グマも、悲 しそうに言っています。
「――ドングリ? そうか、ドングリを探 してるのか!」
この時、ぽーはドングリをたくさん落とす、木の妖精 のことを思いだしました。
「たしか……、、あのときの妖精 さんはブナの木だって言ってたな」
こうして、ぽーはブナの木を探 し始 めました。
そして……、しばらく探 していると、たくさんのドングリがありそうな大きなブナの木を見つけました。
「やったぁ、これだ! たくさんドングリがついてるよ」
そして、ぽーは親子 のクマの場所 に戻 りました。おかあさんクマは、疲 れと空腹 でフラフラになっています。
「どうしたらいいんだろう。私 はいいから、せめて子供 たちだけでも……」
すると、ぽーは子グマにトントンと触 りました。
「ん……? なんだろう?」
子グマは、周 りをキョロキョロしています。
「こっち、こっち」
子グマには、どうやらぽーの姿 は見えませんが、声は聞こえるようです。
「なんか、だれかに、こっちこっちって、よばれてるよ」
「あぶないわよ、行っちゃあ」
「だいじょうぶだよ、ママ。やさしい声だよ」
そして、山の中を進 み、親子 のクマは、大きなブナの近 くまでやってきました。
「みんな、ここでまっててね」
ぽーがそう言うと、大きなブナの木の下で、クマたちはじっと待 っています。
……すると、大きな木の枝 が揺 れ始 めました。
ゆっさゆっさゆっさ
ばさばさばさ
ひゅー
ぼてぼてぼて
そうして、たくさんのドングリが落 ちてきました。
「うわぁ♪」
「やったぁ♪」
子グマたちは、大喜 びです。
そして、子グマたちはぼりぼりと、大きなドングリを食 べ始 めました。
「ああ、よかったわ。ありがとうございます。これで、安心 して冬眠 できます」
おかあさんクマは、子グマの食 べる姿 を優 しく見守 っています。
「よかったね、子グマさんたち。また春になったら、会おうね」
「うん、ありがとう。あたたかくなったら、いっしょにあそぼうね」
子グマは、空に向 って元気 よく手をふっています。
すると、カラーン♪、コローン♪という優 しい鐘 の音が、雲の上にある教会 から鳴 り響 きました。
「なんか、みんなが食 べてるのを見てたら、ボクもおなかすいちゃったよ。帰 って、おやつ食 べよっと♪」
「やーまは、しろーがね、あさひを
ぽーはハルじいさんと山に
……すると、たくさんの木の
「あれ……? なんだろう? なんか大きなどうぶつがいるぞ」
ぽーは、山の中へと入っていきました。
しばらく
「あっ、あれはたしかクマさんだ!」
ぽーは、
「へえ……、こんなところにいるんだ。
よく見ると、大きなクマの
「かわいいなあ。きっと、
ぽーは、クマの
すると……
「おかあさん、おなかすいたよぉ」
「おなかペコペコだよぉ」
2匹の子グマの
「あれ……っ? なにを言ってるか、わかるぞ!」
「もう
おかあさんクマが、子グマに言っています。
「なんか、あの おかあさんクマ……」
よく見ると、おかあさんクマは、
「もっと、あっちのほうでさがそうよ」
子グマはそういうと、
「――ダメよ! そっちに行っちゃ。
「だって、おなかすいたもん」
子グマは、今にも
「おなかすいてんだ。かわいそうだな……」
「ドングリぜんぜんないね、ママ」
もう1匹の子グマも、
「――ドングリ? そうか、ドングリを
この時、ぽーはドングリをたくさん落とす、木の
「たしか……、、あのときの
こうして、ぽーはブナの木を
そして……、しばらく
「やったぁ、これだ! たくさんドングリがついてるよ」
そして、ぽーは
「どうしたらいいんだろう。
すると、ぽーは子グマにトントンと
「ん……? なんだろう?」
子グマは、
「こっち、こっち」
子グマには、どうやらぽーの
「なんか、だれかに、こっちこっちって、よばれてるよ」
「あぶないわよ、行っちゃあ」
「だいじょうぶだよ、ママ。やさしい声だよ」
そして、山の中を
「みんな、ここでまっててね」
ぽーがそう言うと、大きなブナの木の下で、クマたちはじっと
……すると、大きな木の
ゆっさゆっさゆっさ
ばさばさばさ
ひゅー
ぼてぼてぼて
そうして、たくさんのドングリが
「うわぁ♪」
「やったぁ♪」
子グマたちは、
そして、子グマたちはぼりぼりと、大きなドングリを
「ああ、よかったわ。ありがとうございます。これで、
おかあさんクマは、子グマの
「よかったね、子グマさんたち。また春になったら、会おうね」
「うん、ありがとう。あたたかくなったら、いっしょにあそぼうね」
子グマは、空に
すると、カラーン♪、コローン♪という
「なんか、みんなが