第２２話　星まつり　〜ママとぽー〜

　これは、ぽーがまだ小さかった頃(ころ)のお話(はなし)

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「ねえ、ママ」

「ん？　どうしたの？　ぽー」

「たなばたの日って、おりひめさんとひこぼしさんが、あまの川の上でデートをする日なんだよね？」

「うん、そうよ」

　ぽーは、七夕(たなばた)の絵本(えほん)を読(よ)みながら、ママにたずねています。

「あまの川ってどこにあるの？」

「七夕(たなばた)の日はね、別(べつ)の名前(なまえ)で『お星様(ほしさま)のまつり』っていうの」

「へえ……」

「だから天(あま)の川(がわ)は、空のお星様(ほしさま)が川のようになっている場所(ばしょ)なのよ」

「そうなんだあ」

「どこにあるか教(おし)えてあげるね」

「わーい」

　ママは、ぽーを抱(だ)っこすると、星(ほし)がいっぱい出ている家の外(そと)に出ました。


「ほら、あれを見てごらん」

「わあ、きれいだね」
　　　
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「うん、そうね」

「あれはね、私たちおばけの世界(せかい)では、下の世界(せかい)の人が初(はじ)めてこの雲の上に来た時に、大切(たいせつ)な人と出会(であ)う場所(ばしょ)なのよ」

「へえ……、じゃあ雲の上にいるおばけさんたちは、たいせつなひとをあそこでまってるの？」

「うん、そう。雲の上で、大切(たいせつ)な人と出会(であ)う場所(ばしょ)」

「じゃあ、うれしい場所(ばしょ)なんだね」

「ふふふ、そうね」

　ぽーとママの目の前では、たくさんの星(ほし)で出来た天(あま)の川(がわ)がキラキラと輝(かがや)いています。

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