第１１話　はじめての友だち

「……そういえば、コロは元気(げんき)にしてるかな？」

　ある日、ぽーが空を飛んでいると、ふと、この間(あいだ)の犬のコロを思いだしました。

「よし、ちょっと寄(よ)り道(みち)してコロに会(あ)いに行こうっと」


　あらあら、ぽーは今日(きょう)も寄(よ)り道(みち)するみたいですね。


「ふ、ふっ、ふぅーん♪」
　ぽーは、ご機嫌(きげん)にコロの家にむかっています。

「たしか、あの青い屋根(やね)の家だったな」
　しばらくして、ぽーは青い屋根(やね)の家の庭(にわ)にある小さなコロの家を見つけました。

　よく見ると、コロが気持(きも)ちよさそうに眠(ねむ)っていました。

「コロはねちゃってるな。今は、おこしちゃかわいそうだよね」

　ぽーが諦(あきら)めて空に飛びたとうとすると……

「わん、わん」

　後(うし)ろから、コロの声が聞こえてきました。

「あ……っ、おこしちゃった。ごめんね」
　と言いながら、ぽーはなんだかとてもうれしそう。

「わん、わん」
「元気(げんき)だった？　コロ」
「わ、わん、わん」
「え……っ、首輪(くびわ)取(と)ってくれって？　ダメだよ。こないだの女の子が悲(かな)しむよ」
「わわん、わん」
「へえ……、あすかちゃんって言うんだね。あの子」
「わん、わん」
「うん、わかったよ。じゃあ、あすかちゃんが学校(がっこう)から帰(かえ)ってくるまでだよ」
　ぽーは、コロの首輪(くびわ)のボタンをパチンと外(はず)しました。


　こうして、ぽーはコロとおしゃべりしながらお散歩(さんぽ)です。

「そうなんだよ。ボクはママを探(さが)してるの」
「わわん、わん、わん」

「え……っ？　ママの匂(にお)いがわかるものをコロにわたせば、さがせるかもって？」
「わん」
「へぇ……、じゃあ今度(こんど)、もってくるね」
「わん、わん」


「よおし、じゃあコロ。あそこの公園(こうえん)まで競争(きょうそう)だ、それ！」
　そして、ぽーとコロは仲良(なかよ)く公園(こうえん)で遊(あそ)びました。


　カラーン♪、コローン♪

「あっ、おやつの時間(じかん)だ、かえらなきゃ。じゃあコロ、おうちへかえろうか」
「わん、わん」
「でも、どうしてコロとお話(はなし)ができるんだろうねぇ」
「わん、わわん」
「うん、そうだね、気にしてもしょうがないね。楽(たの)しいからいいよね」


　そして、コロの家に戻(もど)り、ぽーがコロの首輪(くびわ)をつけると、あすかちゃんが帰(かえ)ってきました。

「コロ、元気(げんき)だった？」
　あすかちゃんは、コロの頭(あたま)をなでながら話(はな)しかけています。
「わん、わん」
「そうか、元気(げんき)か。じゃあ、あとで散歩(さんぽ)にいこうね」
「わん♪」
　そういうと、あすかちゃんは家の中に入っていきました。

「じゃあね、コロ。またね」
　ぽーが空に飛びたつと、コロはしっぽをふって「わん」と言いました。


「ともだちって、さいこー♪」


　ぽーは、はじめての友達(ともだち)が、うれしくてたまりません。