第4章 神永未羅の場合 第56節 女王の部屋

文字数 478文字

いよいよ、ラスボスのラスボスと、ご対面だ。
「相も変らぬ女王統治」が東方ドラキュラの習いとは聞いてたけど、どんなお方なのかなぁ。
(はく)(しゃく)(れい)(じょう)のエリザベート様でさえ、あんなだよ、あんな。

エリザベート様「さあ、ルスヴン。女王陛下のお部屋に()(ない)(いた)せ。」
ルスヴン「少々、お時間を。今、図面を調べておりまする。」
エリザベート様「図面?」
ルスヴン「実は女王陛下のお部屋を、(だれ)も知らないのでございます。元々、人をお近づけにならぬお方で、()(こう)を許された(よう)(にん)は一人だけ。最後にご用をお務めしたのは約二十年前で、問題の用人は、もうこの世におらず、その後はお(こえ)()かりもなく、お部屋の場所すら分からなくなってしまったのでございます。」
エリザベート様「陛下の居室とあらば、それに相応(ふさわ)しい部屋は、そう多くはあるまい。その図面とやらを見せてみよ。」

かくて、エリザベート様、ルスヴン、ニーナ、そして私が図面を囲んで、「ああでもない、こうでもない」と始めたんだけど、未羅(みら)だけポツンと(はな)れたトコにいた。
遠い目をして考え()んでるのを、私は視界の(はし)で、とらえてたけど、その意味を考えようとはしなかった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み