第10話 上級州国民について知っていること
文字数 1,087文字
ポカンとした女子3人を見たサンショウは、嬉しくなりテンション高めで説明をはじめた。
上級州国民、特権階級だよ。
俺達がいる場所が泥の中なら、蓮の花の上のカースト最上位。そういう例え、聞いたことねえのかよ。
そんなチンケなわいせつ行為なんて、奴らにとっては野良猫にイタズラしたようなもん。簡単にもみ消せるよ。
マジかよ、やめとけ。
上級州国民に逆らったら生きていけない、死骸化調整区域に廃棄されるぜ。実習生になるとき作ってもらったスペアごとな。
もしくは思考を矯正されてリモート化されてしまうか。
どっちにしろ”自分”は無くなるね。
呆れかえったように、コウジとゴマを見るサンショウ。
結果的に、自分だけが浮きまくっている状況に気づき、サンショウは焦る。
『デキる男』と思われたいサンショウは、奥の手を出した。
俺はこの件から抜けるけど、いいこと教えてやる。
冬休みにな、有名私立リリー高校の上級州国民の娘、渡辺ローズマリーがここへ交流研修に来るみたいだぜ。
そこで上級州国民にコネクションが作れるかもよ。
まあ、おまえらみたいな問題児は、近寄れない可能性の方が高いけど。