第30話 バレンタイン・リクエスト~アタシだって糖分に飢えてんだ~

文字数 770文字

シナモン、来月バレンタインだけど……
なにっ!?
怖いよシナモン、その返し。
俺達、周りが見えずに突っ走るおまえ達のフォローをしているよな。


日頃の感謝を改まって言葉で言うのは照れくさいだろうから、チョコとか、そういう形で示してくれてもかまわんが。

さっきからなに言ってんの。
チョコくれって言ってんの!


おまえ口数少ないけど、えぐるよな。

うん。チョコ欲しいな。
おい、さっきから聞いてりゃ。


糖分に飢えてんのはオマエらだけじゃねえ、アタシだって飢えてんだ。

話が変わってきてんだけど。


バレンタインの話……

スイーツ担当はゴマだろ?


エニシダさんとこ行って相談してこい。来月まで待てねえ。

え~~俺が作るの~?
ゴマ君のスイーツ食べたいな。
そう?
ゴマは食堂に行って、エニシダさんに相談する。
なんにも無いのよ~固くなったフランスパンしか……


ラスクかフレンチトーストはどう?

ラスクの方が日持ちするけど。

じゃあ、ラスクがいいかな。

甘いのとしょっぱいの両方作りたいな。


シナモンがああ見えて、オヤジの酒のつまみみたいなものが好きなんだよ。

ゴマは薄くスライスしたフランスパンを、オーブントースターで焼いてカリカリに。


半分はバターとグラニュー糖、もう半分にはガーリックバターを塗る。

そしてさらにオーブントースターで加熱。

うん、美味しい! ゴマ君、よくできているわ。


あら、ガーリックバターもなかなかのものよ!

エニシダさんに試食してもらってOKの出たラスクは、ゴマが保存食にしようと思っていました。

少しずつみんなで食べようと……


が、メンバー達にすぐ見つかり、あっという間に食べられてしまいました。

ちょっとみんな~、ちゃんと味わってよ~。
(今まで高級スイーツを食べてきたけど、今までで一番美味しい……)


(出来たてだからかな……みんなと一緒だから……?)

ゴマ君、あの、また作ってね。
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