第31話 ローズマリーご来校

文字数 699文字

2週間前からセンター職員室がザワついている。
コデマリセンセー、なんかあんの?
特待生の渡辺ローズマリーさんが、雲間境温泉の別荘にご旅行の際に、ここ脳機能研究センターへお立ち寄りになるのよ。
なんか聞いたことのある名前。

誰だっけ?

上級州国民のご令嬢だよ。


前に俺が言ったじゃん。

いよいよお出ましか。待ちくたびれたぜ。


で、お嬢さまはどんなスキルなんだ?

ローズマリーさん、Aランク特待生なんだけど、スキル非公開なの。


で、特待生ランキングに潜って調べてみたんだけど、ローズマリーさんのスキルって、会社の決算書にダイブすることができて数字を

クローブ! そこは触れちゃダメよ。
あ、わかりました。
シナモン、上級州国民に変質者がいるかどうか、聞いてみよう!
そうね!
ちょっとちょっと、あなた達! 


勝手な行動はダメよ、暴走しないで、失礼があったら大変よ。

ローズマリーさまご来校当日。


滞在時間は約3時間。

そのうち1時間は、先生達がピックアップした優等生5人との座談会。

座談会のメンバーにはクローブも選ばれていた。


座談会は先生達が台本を用意。当たり障りのない内容で構成。


退屈な座談会が終了し、休憩のため応接室へ移動するローズマリーにクローブがささやく。


ローズマリーさん、少しだけお時間ください。お願いがあります。
ローズマリーは目を見開きクローブを見たあと、イタズラっぽく微笑む。
なにかしら、もう眠くて仕方なかったところよ。
合図でシナモン、カルダモン、ナツメグが走り寄る。


ワンテンポ置いて、男子メンバーが遠巻きに見る。

こら、あなた達! 勝手なことはやめなさい!!
あら、かまいませんよ。時間はありますから。


皆さんでお茶にしましょう。

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