第21話 実技試験の結果発表
文字数 629文字
正面スクリーンにアップされた名前を見て、驚くクローブ。
俺、55位。本番じゃねーと本気出ないタイプだしー。
その日は朝から体調が悪かったんだよ!
俺、本気出してねーし。
こんなショボいテストで、本気出せるかよ!
サンショウ、言っていること支離滅裂だぞ。(笑)
男子はどんぐりの背比べだな! かわいいもんだぜ。
ええ~!?
私、クローブの方が羨ましいよ~。
勉強できるようになりた~い。
だって勉強なんか、やれば誰だってできるようになるじゃない?
スキルはそうはいかないもの。
クローブの場合、イヤミやディスじゃなくて、マジにそう思っているからビビるよな。
クローブは賢いんだから、もっと自分に自信持てよ。
私、運動神経悪いし、勉強しかしてこなかったから、自分のスキルがわからないのよ。
クローブの得意分野はあるか? スキルはそこに眠っているぜ。
クローブはその晩、夢を見る。
満月の下、流氷の上に立っている。その氷が少しずつ溶けてゆく。
……落ちてしまう!
その恐怖で目覚める。カーテンから漏れる月明かり。
怖かった……まだドキドキしている。
だって氷の下は冷たく深い海の底。
落ちたらもう戻れない、凍えて死んでしまうかもしれない。
それがわかるのよ。
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