第28話 ナツメグのダメージ~撤退戦の達人~

文字数 692文字

ムスカリ戦の翌日。
ナツメグは?
なんかダルいって、保健室で寝ている。
2日後。
ナツメグは?
昨日、救急医療センターへ搬送されたの。


念のため検査するって。

3日後。


暗い顔でうつむく女子達。

なんだ、おまえらにしては静かだな。


ナツメグはどうした?

シナモンは、声を荒げて言った。


「ナツメグ、昨日遅くに死んだのよ!! 今! スペアを起動させてるのっ!」



呆然とするコウジ、ゴマ、サンショウ。

あのムスカリっていう医師、内臓を時間差で破壊するスキルだったの。
いつ復帰できるの?
「知らねーよ!!」


とそっぽを向くカルダモン。

……俺達はさ、一応チームなんだから、そういうことはすぐ言ってくれよ。
急に泣き出すシナモン、カルダモン、クローブ。


3人で肩を震わせる。

…………
1か月後。


ナツメグが復帰する。

みんな、心配かけた。
ナツメグ! 調子はどうだ!?
問題ない、と思う。

本体のスペアに脳機能をインストールした。


ちょっとおかしな言動や、記憶違いがあったら、遠慮無く言ってくれ。

わー!ナツメグだ、よかった~!

(泣きながら抱きつく)

そのやりとりを黙って見ていたコウジ達、男子メンバー。
おまえら、いいか、よく聞け。


これからは俺達の作戦に従ってもらう。

なんだよ、急に。


オマエら、ディフェンスばっかじゃねえか。

言っておくけどな、負け戦や撤退戦って、ムズいんだぞ。


撤退戦を上手くやるには、高度なテクニックが必要なんだから。

そうそう、君たち、引くことも覚えろ。


スペアがいくつあっても足りねえよ。

おまえらは行き当たりばったりで突っ走るから、危なっかしくてヒヤヒヤする。


もっと周りを見ろ。そして俺達の話も聞け。

ナツメグ、返事は?
……わかった。
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