第5話 最悪な出会い方~女のくせに生意気なんだよ~

文字数 738文字

話し声でカルダモンも目を覚まし、カーテンを開ける。
どうしたシナモン、大声上げて。
知らない男の子が、
あ、いや、間違って空けちゃって、ごめん(しどろもどろ)
カルダモン先輩、この2人、勝手に覗いていたの、痴漢よ!!
やっ、違うって!
さっきからギャアギャアうるせえな、おまえなんか痴漢するか、ブス。
そっ、そうだよ、勘違いするなよ、
ひっどーい!
言うに事欠いて、ブスとはなんだ、ブスとは。


アタシは寝起きが悪いんだ、オマエらどこの高校出身だ?

なんでおまえに言わなくちゃいけないんだよ。

多分おまえらは底辺の掃きだめ、公立ドクダミ高校出身だろ?

うるせーな、
お、図星かよ。

おまえらここに来たばかりだろ?

新参者、しかも女のくせに生意気なんだよ。

ここは先輩後輩、男も女も関係なし、実力主義だって聞いているぜ。

感覚が古いな、話すうちにオマエのバカさ加減が伝わってきたぜ。


オマエらだって、多分マンモス私立ペンペン高校の落ちこぼれ出身ってとこだろ?

シャバ僧のクセにイキってんじゃねえ!

落ちこぼれが余計なんだよ!


……シャバ僧って、意味わかんねえ。ヤンキー語は公用語じゃねえぞ。

シャバ僧ってのはな、オマエらみたいなダサいモブを言うんだよ。

覚えておけ。

俺は人から、とくに女から指図されるのが大嫌いだ。

誰に口をきいているつもりだ。

オマエのことなんか知らねーよ。誰だオマエ。

初対面でディスバトルが止まらない2人。見ようによっては息が合っている。


コウジはふと、ベッドの上で涙ぐんでいるシナモンを見た。
(あっ、俺、ひどいこと言ったかも)


あの、さっきは……

なにっ!!?
……サンショウ、もういいよ、行こうぜ。
そうだな、ヤンキーの相手なんてしていたら時間の無駄だ。
コウジとサンショウが去った後、廊下からツカツカ近づいてくる足音。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色