第12話 大事な名前だろ？
文字数 602文字
いつの間にか食堂の窓際、隅のテーブルは、カルダモン、シナモン、ナツメグ、サンショウ、コウジ、ゴマの定位置になっていた。
今日の夕食もぺちゃくちゃおしゃべりしながら、ご飯のおかわりをしている。
アタシは情報操作系スキルでてっぺん取ってやる。
もうリミッターは外したぜ。
サンショウ、オマエなんかにゃ負けてられねえからな。
上級州国民について、わんさか情報が入ってきているぜ。
言うねえ、女のくせに。
俺は今、アイテムを強化しているところだ。
ステルスドローンだぜ、シビれるだろ。
へえ、カッコいいじゃねえか、シルバーさんよ。
ガタッと真っ赤な顔で、立ち上がるサンショウ。
ちょ、おま、
シルバー？ なにそれ。
サンショウが自分で付けたコードネーム（笑）だとさ。
アタシの『手下ども（アミーゴ）』が教えてくれたんだ。
それでコウジはプルートー、ゴマはコヨーテだよな。
中学の時、チーム内で付けたコードネーム。（半笑い）
フルート？ 楽器？
コヨーテって卑怯な犬だっけ？
プルートーだよ！ 冥王星！
冥府、えっと、地獄の王だよ、ヤバい汗出てきた。
ちょっと性格悪いよ！ 中学のときの黒歴史なんだからほじくるなよ。
自分でもどうしてコヨーテってつけたのか、覚えていないんだからさ～
そうだよ、若気の至りなんだからスルーしろよ。
（顔真っ赤）
クスクス、ダサ～い。
おまえらホントに性格悪いな、この話は二度とするな！
なんだよ、大事な名前だろ？
シルバーさんよ。（笑）
