第14話 実習チーム分け～研究生２枠付き～
文字数 902文字
秋になった頃、実習の際のチーム分けが発表された。
全部で１９チーム。
モニターに掲示された名前は……
【Ｆチーム】
カルダモン、バジル、ナツメグ、シナモン
サンショウ、コウジ、ゴマ
（研究生２枠）
なんだ、オマエらと一緒かよ。
女なんて足手まといだ。
男オンリーのチームがよかったな。
バジルって子、俺あんまり見たことないんだけど。
バジルはアイドル活動しか頭にねえんだ。
悪いな、好きにさせてやってくれ。
バジルのカバーはアタシらでするから。
俺、おまえらのスキル、よくわかんねえけど、お花畑でも出すのかよ。
よく聞いてくれた。
アタシは情報操作系スキル、『鬼女（スレッド）』と『手下ども（アミーゴ）』だ。
アタシに隠し事はできねえぜ。
私のスキルは『剪定鋏（パイプカット）』オンリーだけど、なんでも切れるようスキルアップ中。
例えば、敵の情報や体制、連携なんかも。
スキルマップの最終目標は、敵の攻撃も裁断できるようにすること。
男子みたいにまったりしている暇はない。
ナツメグは奨学金ポイントを稼いで、家に仕送りしないといけないからな。
男子チームとは気合いが違うぜ。
私のスキルはね～えっとね～いっぱいあってね～
シナモンはこんなおとぼけゆるふわだけど、スキルは厳ついぜ。
『解体屋兼掃除屋（スイーパー）』、『事故物件（クロスハリカエ）』、『地上げ（ソリューション）』、今は『開発許可（ファンタジスタ）』っていう大技を鍛錬しているところだ。
シナモンが通ったあとは、草木も生えない。景色が変わる。
私達はあんた達みたいなお遊びとは違うの。家族の生活がかかっているんだから。
私達の邪魔をしないでね。
実習チーム発表と同時に、ぺちゃくちゃお喋りをはじめていたメンバー達。
静かに！ 本当にあなた達は仲がいいわね。
見て、他のチームが引いて見ているわよ。
え～そんなことないもん、仲悪いもん。
はいはい。
チーム分けはね、ＡＩで割り出した最適解ですから。
仲良しさんで決めたわけでもないのよ。科学的根拠があるの。
ねーねー、コデマリ先生、研究生ってなに？
これから途中で移籍してくる生徒の枠よ。
実習生見習いみたいなものね。
ちょっとだけ先輩のあなた達が、フォローしてあげるのよ。
