第20話 ゴマのまかない修行~赤点補修組への差し入れ~

文字数 849文字

食堂の調理師、エニシダさんは毎日大忙し。
ごちそうさま、今日も美味しかったー。
今日もすごいごちそうだったな。いつもパーティみたいだぜ。


ご飯にニラと豆腐の味噌汁、サラダ、そして鶏を甘辛く焼いた、ヤバいくらいに美味いヤツ。

これはね、鶏の照り焼きっていうのよ。

ショウガがよく効いているでしょ?

このレタスとキュウリのサラダも美味しかった。
ドレッシングが美味しいよね。

エニシダさんの手作り? どうやって作るの?

みんな残さず食べてくれて嬉しいわ。


ドレッシングは手作りよ。人参をすりおろしてね……

土曜日の午後3時、食堂に来たゴマ。

休憩中のエニシダさんに話しかける。

エニシダさん、お願いがあるんだけど。
なあに、ゴマ君。
サンショウとシナモンが追試の勉強しているから、差し入れがしたいんだ。


なにか温かい飲み物とか、甘いものってあるかなぁ。

ココアがあるわよ。

あとはね、あ~干し芋が3枚だけなら残っているけど。


若い子が好みそうなお洒落なお菓子はないのよ~。

干し芋? それ大好物だと思うよ。

もらっていいかな。

いいわよ、不格好だけど、私の手作りなの。
日曜日、昼食を食べ終え、配膳を片付けたあとも、食堂でくっちゃべっているメンバー達。
エニシダさん、昨日の干し芋上手かったぜ。

みんなで分けて食べたんだ。

え? 3枚をみんなで?
うん、あっという間に無くなっちゃった。
勉強していると甘いものが食べたくなるの。

エニシダさん、今日は甘いものなにかある?

おまえ、おやつ食って昼寝していただけだろ。
サンショウなんて、カンニングペーパー作っていたよな。

俺は見た。

違うよ!

まとめのメモだよ!!

甘いものじゃなくてもいいの、スルメとかでも。
お、それも美味そうだな。
わがままなメンバーのリクエストに応えるため、ゴマはエニシダさんに密かに弟子入りしました。


もともとゴマは調理科出身です。

エニシダさんの手際を間近で見て、まかない料理やおやつをササッと作れるようになった器用なゴマ。

先々(第2部サード・シーズン以降)で、メンバーから重宝されることになるのでした。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色