第4話 シミ・ポケGO・Ingress

文字数 629文字

「こんなところに、変なものがある!」
珍しいモニュメントをポケモンGOで見つけ、5歳児のようにはしゃぐ、おっさんラジオ・パーソナリティ。

 当時(2017年)社会現象をまき起こしたポケモンGO。2012年ごろから公開(ローンチ)されたIngressとともに、今も米国のナイアンティック社が運営している。

「Ingressの先輩たちが、ボランティアで珍しいモニュメント類を見つけ、ポータルにしてほしいとナイアンティックに申請したんだよ。ポータルというのは、ゲームの起点のことだ」
先輩ゲーマーたちが、教えてくれた。

 ボランティアによるモニュメント類の説明が時々ついているが、ポータル位置もその説明もそのままポケモンGOに反映されている。教養好きなシニアにはウケがいい。ナイアンティックは、チャッカリしている。

 新境地を開拓すれば、メダルももらえる。スマホ歩きするより、周囲の様子をよく観察しよう。
頭(こうべ)をたれ、いかにも殊勝なことを考えるが、鶏(とり)頭(あたま)のわたしは、次の瞬間には忘れる。そして毎週土曜日晴天時には、タンデムでミッション三昧。

ついにある日、
「あなた、すっかり日焼けしたわねえ」
と、遊びに行った友だちに指摘された。
家に帰りながら、落ち込んだ。

 Ingressのばか。
 自宅の鏡にひろがる醜いシミをながめ、やがてカカカと哄笑し始めた。
 まだいける。
 まだまだ平気。
 ダイエットのためだもーん……!
 お肌より、体重が気になるお年ごろの主婦だった。
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