第23話 アノマリーでの出来事(大阪・後編)
文字数 616文字
アフターパーティ。それは、アノマリーの後に行われる交流会のことで、ゲームの勝敗もここで発表される。
主婦なので、泊まるわけにはいかない。だから今までアフターパーティに参加できなかった。広島―大阪間は、夜おそくなっても電車がある。わたしは念願のアフターパーティに参加できた。
会場は、テニスコートだった。観客席に、ぎっしりとゲーマーが詰め込まれている。本人確認が済んで、パーティがはじまった。テニスコートでバンドが、知らないロックを奏でている。
ゲームの勝敗が発表される前に、司会が、一組の男女を、コートに押しやった。
「みなさん! この青年の主張を、聞いてやってください!」
何だろう?
見ていると、男性は、いきなり女性にひざまずき、指輪を差し出して言った。
「同じゲームをしている内に、好きになってしまったんだ。結婚してくれ」
わーっと観客が沸いた。
女性は、すっかり困惑しているようである。
断るのだろうか。
「ええ……、わたしでよければ……」
プロポーズ、受けました~!
驚くべきことに、ただゲームを一緒にした、というだけで、結婚になってしまったのであった。
ゲーム自体は負けてしまった。しかし、ふたりの幸せそうな態度と、周囲にめちゃくちゃに小突き回されながらも、照れたようになっている青年の笑顔を思い浮かべ、
「Ingressって、縁づくりゲームだったのね」
などと、ひとり納得してしまったものである。
おふたりさん、お幸せに。
主婦なので、泊まるわけにはいかない。だから今までアフターパーティに参加できなかった。広島―大阪間は、夜おそくなっても電車がある。わたしは念願のアフターパーティに参加できた。
会場は、テニスコートだった。観客席に、ぎっしりとゲーマーが詰め込まれている。本人確認が済んで、パーティがはじまった。テニスコートでバンドが、知らないロックを奏でている。
ゲームの勝敗が発表される前に、司会が、一組の男女を、コートに押しやった。
「みなさん! この青年の主張を、聞いてやってください!」
何だろう?
見ていると、男性は、いきなり女性にひざまずき、指輪を差し出して言った。
「同じゲームをしている内に、好きになってしまったんだ。結婚してくれ」
わーっと観客が沸いた。
女性は、すっかり困惑しているようである。
断るのだろうか。
「ええ……、わたしでよければ……」
プロポーズ、受けました~!
驚くべきことに、ただゲームを一緒にした、というだけで、結婚になってしまったのであった。
ゲーム自体は負けてしまった。しかし、ふたりの幸せそうな態度と、周囲にめちゃくちゃに小突き回されながらも、照れたようになっている青年の笑顔を思い浮かべ、
「Ingressって、縁づくりゲームだったのね」
などと、ひとり納得してしまったものである。
おふたりさん、お幸せに。