第9話 雑誌に載った!

文字数 566文字

 わたしが青チームに入ってまもなく、アノマリーという世界大会がある、という話でもりあがった。そこで、2015年春に京都で行われるそのイベントに、参加することになったのである。
 修学旅行でしか行ったことのない京都へ、ひとりで行くんだね。

 広島の人たちは、個人で行くことになった。わたしは石川地方のグループに混ぜてもらった。新幹線では、さびしかった。同行するひとが、だれもいない。

 着いた先の石川の人たちは、みな温かく迎えてくれた。わたしがミッションにハマってることを告げると、
「石川には、兼六園があるぞ」

 それしかないけど、と付け加える。有名じゃないの、じゅうぶんステキです。

 イベントが終り、集合写真をとることになった。寺院の前に集まると、コンピュータ雑誌アスキー社の記者がやってきた。運営会社ナイアンティックの社長、ジョン・ハンケが来ていたからであろうか。

 あとで雑誌の集合写真を見てびっくり。ある人は富士山のカツラをかぶり、ある人は、横から突っ込んでいる。そして猫の柄だらけのブラウスを着ているのは……。
「わたしだ!」
 この手のイベントは生まれて初めてだった。マスコミに載ったのも初めてである。
 立ち読みしていた雑誌を、衝動買いしようとしてハッと気づく。
「手垢がついてるかも!」
 Amazonで購入するところがセコいのであった。


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