第17話 昭和な広島と現代美術

文字数 600文字

 中区の観光ミッションがあるので、地元民ではあったが、遂行してみた。
 そして、その中区に昭和を発見した。

 昼間なのでネオンはついていない。しかし看板はゴテゴテとまるで大阪のミナミ(新世界)みたいだった。新天地と書いてある。
 見あげると、赤いレゴ的な看板に、

「お好み村」
 のロゴも武骨。前衛美術というか、爆発している昭和色がはんぱない。もちろん、ここは、お好み村の入口である。ここには、原爆投下直後から経営している店が多くあると聞いている。(店の移動をさせられた経緯も知っている)。

 店先からただよってくるソースのにおい。店もちょっと薄暗い。お好み村は、広島お好み焼きの店がならぶ観光地である。地元の人もけっこう、利用している。
 わたしも、入ってみようかな。
 入口の値段表に叫んだ。

「1500円!」
 ムリーッ!

 となりの並木通りへ赴く。並木通りは、ファッション通りである。ドーナツ屋あり、ドレスを売る店あり、コンビニあり。

 その中でも興味深かったのは、赤い回転ドアみたいなオブジェだった。舗道の端に置かれたフレームだけのドアで、現代美術であるとスマホ説明にあった。
「ファッションな並木通りに現代美術……?」

 こんな、公園の遊具みたいなのが、現代美術というのだから、げーじゅつは、わかりません。じゃりン子チエならわかるけど。

 昭和が懐かしくなった。
 やっぱりお好み焼き、食べて帰ろう。
 花より団子なのさ。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み