第11話 誘惑の飯テロ、へたばるメダル

文字数 641文字

 それまでのゲームは、コンピュータ上のキャラクターを操作するものだった。とにかく、わたしのイメージではそうなのである。

ところがIngressでは、リアルに人と会って話したり、飲み会をしたりする。チャットツールに「こんなの食べた!」という写真を投稿する人も多い。ジューシーなハンバーグ、ステーキにサンドイッチ、年始にはおせち……。

 飯テロと人は言う。写真を見てヨダレを垂らし、減量を思い出すわたし。

 ダイエットなんか、だいきらいだ!

 そんなIngressには、実績メダルが十種類以上ある。
 このゲーム、レベル8以降は、レベルアップのためのメダル色要件がある。外国には、あらゆるメダル色要件を満たし、最高レベルの16まで行った上に、半年で十億以上の経験値を稼いでる人もいる。
 いろんな意味で、コアなファンは多い。

 わたしもコアなファンのひとり。
 ゲームを楽しむぞ!

 ゲーム用の地図をパソコン内にひろげ、スマホに目を落とす。ずらりと並んだメダルを眺めて考えに沈む。

 数十キロ行ったところに、小さな山がある。登るのがたいへんだから、守るのは楽だろう。

 そのためには、領地を作るためのカギをもらわねばならない。拠点となるポータルまで行かねば……。

作戦上の、傾向と対策を練りはじめる。
「しかし、この領地を守る為に、日頃から歩くのか!」
 領地をつくるにも、あちこち移動して、三角形のバーチャル領地を作る。

それだけやる、意味があるんだろうか。
いつも食べてるじゃん~。 
すぐにへたばるわたしであった。

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