第31話 車に轢かれてあいーん:呉イベント蒲刈

文字数 647文字

 呉ワクわくフェスティバル:蒲刈

 車に轢かれて、あいーん。
 志村けんではない。

 ドクターささけんさんが、ミニカーを持ってきて、
「これで轢かれて遊ぶんです」
 真顔で言うのである。

 ここは蒲刈(かまがり)、午後2時頃。一連の呉イベント、『呉ワクわくフェスティバル』の第二回目である(一回目は野呂山)。まつりもそろそろ終盤だが、押っ取り刀でわたしたちは、駆けつけてきた(家からだと、どうしても午後になってしまうのである)。

 ドクターささけんさんは、1331というゲームストーリー上の重要アイテム車のミニカーを作ってきたのだった。ミニカーは、ささけん命名μ-1.331(原寸から1000分の1なので)。子どもがはしゃぎながら、このミニカーに乗っている。

 なぜか、呉のゆるキャラ、『呉氏』と、Ingressのイメージキャラクター、「本宮レゾ」さんもやってきていた。
 呉氏は、柔毛のはえた四角いブルーのゆるキャラで、動画でダンスを披露している。
 レゾさんは、身長165センチ程度のアニメキャラ着ぐるみである。目がパッチリと愛嬌があって、握手すると手が柔らかかった。

 呉氏が、自分を見て泣き出す子どもをあやす。イベント参加者に、Ingressの宣教活動をするイラストレーターもいる。
「タコがあがってる」

 ゲーマーの声に振り返ると、空き地で日本凧をあげている子どもの姿。
「いや、そっちじゃなくて、こっち」
 トレイを差し出すゲーマー。
 蛸の天ぷらが、入っていた。

「なーんだ、ばっかみたい!」
 みんなで笑って、その日は終った。
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