第13話 だって主婦なんだもーん。
文字数 531文字
タンデムで川辺を夫と、ツーリング。公園に滑り台。ふつうだ。可愛公園にチェックポイントの慰霊碑を見つけて、近づいた。
広島というと、お好み焼きか、牡蠣か、宮島か、カープぐらいだ。原爆だけは特別で、マスコミでも関連記事や放送が、毎日のようにある。年寄りは日常会話で話題にする。
どうせまた、原爆関係でしょうよ。少し古い慰霊碑のようだが、細かいことは気にしないタチである。
ところが、そのスマホに書かれていたのは……。
「日露戦争慰霊の碑」
仰天した。
日露戦争って、あれだよね。
ああ弟よ君を泣く
君死にたもうことなかれ
……の、日露戦争だよね?
何度も表示を確認。
そうか。国際的な戦争は、1回だけじゃなかった。
忘れてはならないことがある。
川はみな、海に流れ入る、しかし海は満ちることがない。
夫が声をかける。
「そろそろ、帰る時間だよ」
わたしは足をふんばった。
「やだッ。帰ったらトイレ掃除だもんッ」
せっかく厳粛な思いだったのに。
トイレ掃除を、教養系ゲーム感覚でできる人がいたら、ご連絡ください。