第13話 だって主婦なんだもーん。

文字数 531文字

 廿日市(はつかいち)市の可愛川(かわいがわ)付近をゆく。2015年頃だった。タイムトラベルのミッション作者と同じ人が、このミッションを作っている。期待値はたかい。

 タンデムで川辺を夫と、ツーリング。公園に滑り台。ふつうだ。可愛公園にチェックポイントの慰霊碑を見つけて、近づいた。

 広島というと、お好み焼きか、牡蠣か、宮島か、カープぐらいだ。原爆だけは特別で、マスコミでも関連記事や放送が、毎日のようにある。年寄りは日常会話で話題にする。
どうせまた、原爆関係でしょうよ。少し古い慰霊碑のようだが、細かいことは気にしないタチである。

ところが、そのスマホに書かれていたのは……。
「日露戦争慰霊の碑」
 仰天した。
 日露戦争って、あれだよね。

 ああ弟よ君を泣く
 君死にたもうことなかれ

 ……の、日露戦争だよね?
 何度も表示を確認。
 そうか。国際的な戦争は、1回だけじゃなかった。

 忘れてはならないことがある。
 川はみな、海に流れ入る、しかし海は満ちることがない。
夫が声をかける。

「そろそろ、帰る時間だよ」 
わたしは足をふんばった。
「やだッ。帰ったらトイレ掃除だもんッ」

せっかく厳粛な思いだったのに。
トイレ掃除を、教養系ゲーム感覚でできる人がいたら、ご連絡ください。


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